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【味の素医薬カンパニー】消化器系栄養剤で海外展開‐2013年にも東南アジア進出

2009年8月12日 (水)

豊田友康氏

豊田友康氏

 味の素取締役専務執行役員医薬カンパニープレジデント兼味の素ファルマ社長の豊田友康氏は、本紙のインタビューに応じ、5年以内に売上高1000億円を達成した上で、東南アジアに進出する考えを明らかにした。既に主力の分岐鎖アミノ酸製剤「リーバクト」、成分栄養剤「エレンタール」をアジアに導出し、消化器病領域のスペシャリティーファーマとして海外展開への布石を打っているところで、豊田氏は「チャンスを捉えて東南アジアに進出していきたい」と意気込みを語っている。

 豊田氏は、6月26日付で販売子会社「味の素ファルマ」の新社長に就任。医薬カンパニープレジデントと兼任することで、研究開発から販売まで一体化した事業運営に乗り出した。重点3領域と位置づける「輸液・栄養・透析」「消化器病」「生活習慣病」のパイプライン強化に特化し、“尖ったスペシャリティーファーマ”を目指すのが基本方針だ。

 特に注力しているのが肝疾患、炎症性腸疾患の消化器病領域。昨年には、ドイツのドクター・ファルク・ファーマから潰瘍性大腸炎治療剤「AJG501」、オランダのノルジーンから新規経口腸管洗浄剤を相次いで導入。今年4月には、寿製薬から販売権を得た胃潰瘍治療剤「アズロキサ顆粒」を新発売した。また、経口腸管洗浄剤「ニフレック」に関して、消化管運動機能改善剤「ガスモチン」との併用で、バリウム注腸X線造影検査前処置の追加効能を取得した。

 消化器病領域は、既存品のクローン病栄養剤「エレンタール」、肝臓病栄養剤「リーバクト」を中心に展開してきたが、豊田氏は「これまでの情報提供活動で培ってきた学術力、医師とのネットワークを使い、様々な展開ができること。それが他社とは違う強い営業力になっている」と自信を示す。

 そこで、主力の「リーバクト」のアジア11カ国での販売権をエーザイに導出し、本格的な海外進出へ布石を打った。既に味の素は、中国の万和製薬に「ニフレック」「エレンタール」の中国における販売権を導出しているが、豊田氏は「東南アジアは日本と食文化、栄養の感受性が近い」と指摘。「食生活の変化によって消化器病が増えてくる状況を捉え、チャンスがあれば東南アジア進出を目指したい」との考えを明らかにした。

 海外展開に向けた一つの指標が売上高1000億円の達成だ。医薬カンパニーの2008年度業績は、売上高858億円、営業利益137億円となったが、これを5年以内に売上高1000億円、営業利益200億円に引き上げる。豊田氏は「まだ海外に出て行く体力はない」と認めながらも、「売上高1000億円の体力を付けることが、東南アジアに進出できるかどうかの分かれ目になる」と話す。今後、消化器病領域のスペシャリティーファーマとして、「リーバクト」「エレンタール」の2製品で海外展開に打って出るためにも、売上高1000億円の達成が大きな分水嶺になってきそうだ。将来的には、第III相試験中のクローン病治療剤「AJM300」を欧米向けに販売する構想もあるが、当面はアジアに照準を定めた海外展開に全力を挙げる。

代謝領域は「最大化」重視‐医薬品・食品のシナジー追求

 一方、もう一つの重点領域と位置づける代謝性疾患領域は、既存製品のライフサイクルマネジメントに注力する。7月には、骨粗鬆症治療剤「リセドロネート」の国内特許・商標を米プロクター・アンド・ギャンブルから取得した。既に国内では、エーザイが「アクトネル」、武田薬品が「ベネット」の製品名で販売しているが、味の素は改良製品の自社開発などに乗り出し、リセドロネートの最大化を図る方針だ。豊田氏は「既存製品の強化も重点的に行わなければならない課題」と指摘し、リセドロネートとカルシウムの吸収を高める特定保健用食品「カルバイタル」との相乗効果によって、医薬品と食品のシナジーも追求していく考えを示した。

 昨年3月には、味の素ファルマの子会社「味の素ニュートリション」を設立。医療用の濃厚流動食「メディエフ」を療養型病院、介護施設向けに販売し始めている。豊田氏は「われわれはトータル・ニュートリション・ケアを掲げ、高カロリー輸液、電解質、医療食からスープ、ゼリーまで豊富な品揃えがある。これは他の製薬メーカーにない部分だ」と強調する。今後、在宅介護市場が拡大すると見て、さらに在宅販売ルートの開拓を目指していく方針だ。




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