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【日病薬】病院薬剤師の新しい業務展開で中間報告‐多くの施設がスキルミックスを実践・模索

2009年8月18日 (火)

 日本病院薬剤師会がまとめた「薬物療法の質の向上と安全確保に資する病院薬剤師の新しい業務展開―新しい業務展開実態調査結果を踏まえて」の中間報告によると、剤形変更の処方や処方変更、投与量変更、投薬・注射の中止は、既に3割の施設で取り組んでいることが分かった。また、フィジカルアセスメントを実施している施設は、していない施設と比較して、新たな業務に積極的に取り組んでいることも明らかになった。

処方変更や投薬中止、3割の施設が取り組む

 実態調査は、スキルミックスとして薬剤師が果たすべき新たな業務展開を明らかにするために、既に現場で取り組まれている新業務の実態について調べられた。調査は、▽薬剤師の基本業務に基づく薬物治療の充実と安全確保▽チーム医療による薬物治療の充実と安全確保▽病院機能に基づく薬物治療の充実と安全確保▽地域医療の充実と安全確保--のカテゴリーに分けて、設問として、具体的な新しい業務を盛り込む形で行われた。

 「基本業務に基づく薬物治療」についてみると、具体的な業務に挙げられた「処方参画」では、医師の同意を得て実施している業務として、「処方薬の剤形(散薬・錠剤・一包化等)変更を処方している」が、1052病院(33・1%)に上った。また、「入院患者の処方スケジュールを確認し、定時処方切れなどの投与日数の調整のための臨時処方」も、445病院(14・0%)で実施していた。「保険薬局で後発品に変更した処方薬を、診療録に反映させるための代行入力」は298病院(9・4%)だった。

 さらに、薬物治療への直接的な処方参画として、「慢性期患者について定期処方を処方している(do処方)」が434病院(13・6%)あり、「症状が安定している外来患者に、副作用の有無などの患者情報を踏まえ、過去の処方歴をもとに処方入力している」施設が144病院(4・5%)あった。また、「入院患者の検査データ、バイタル、自覚症状など患者情報を踏まえ、不眠、疼痛、便秘などの症状改善のために臨時処方をしている」219病院(6・9%)で実施していた。

 具体的な業務としてあげられた「医薬品の適正使用のための薬学的管理」では、薬物治療中の状態を定期的にモニターし、処方変更、投与量の変更、投薬・注射の中止を提案している施設が、933病院(29・3%)と3割を占めた。また、添付文書の使用上の注意事項を考慮し、副作用予測または回避に必要な「血圧、脈拍、体温測定や聴診、視診などのフィジカルアセスメント」も、143病院(4・5%)で実施していた。実施率は低いものの、「褥瘡、熱傷、傷口など傷面に外用剤を塗布し適正な塗布の仕方を指導」なども54病院(1・7%)で取り組んでいた。

癌化学療法にも参画‐問題点とアウトカム示す

 「チーム医療による薬物治療の充実と安全確保」のカテゴリーで、具体的な業務として挙げられた「感染制御」では、院内感染対策への参画として、「O‐157、SARSなど新たな感染症発生時の情報収集、対策を実施」が868病院(27・3%)に上った。また「褥瘡対策」では、病態に適した外用薬について医師に情報提供している施設が1409病院(44・3%)、病態に適したドレッシング剤について医師に情報提供しているが937病院(29・5%)と多かった。

 「病院機能に基づく薬物治療の充実」についてみると、具体的な業務として挙げられた「癌化学療法」としては、703病院(22・1%)がレジメン作成検討会で適切なレジメン作成の提案に取り組んでいた。治療法決定後のインフォームドコンセントに同席し、薬剤関連事項について患者に説明している施設も158病院(癌治療実施施設の9・4%)あった。さらに、102病院(6・0%)では、外来化学療法で副作用をモニターし、治療が必要か否かを薬剤師が判別していた。「外来化学療法で副作用をモニターし、発疹、脱毛、口内炎など軽症な副作用の場合、医師の了解のもとで軟膏塗布などを実施」も36病院(同じく2・1%)あった。

 それらの結果を踏まえ、日病薬では良質で安全な癌化学療法における薬剤師の業務フロー案を作成し、業務を実施するための主な問題点と実施により想定されるアウトカムを取りまとめている。

フィジカルアセスメント実施施設、処方変更の提案は2倍‐専門薬剤師の有無でも差

 中間報告では今後の薬剤師の業務展開について、薬剤師が病棟に常駐し、従来のカンファレンス傍聴、カルテや看護日誌の閲覧など、間接的な情報収集のみでは不十分と指摘している。間接情報にとどまらず、必要に応じて触診や聴診といったフィジカルアセスメント、あるいはバイタルサイン測定など、患者の状態の経過観察による直接的な患者情報の収集が不可欠とした。

 ぞの理由として、フィジカルアセスメントを実施している施設は、新たな業務展開に積極的に取り組んでいるとの結果が得られていると紹介。具体的には、実施施設では、患者の状態をモニターして処方変更などを提案しているが60・8%で、全病院29・3%の2倍強に上ることや、注射薬の投与直後から直接患者の副作用症状を経過観察しているが、7倍近くの28・7%を占めていることを挙げている。そのほか、癌および感染制御の認定・専門薬剤師が従事する施設でも、多くの新たな業務への取り組みが展開されていることが分かった。

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