医薬品医療機器総合機構は9月30日、健康被害救済制度に関する認知度調査の結果を公表した。それにより、名前を聞いたことがある程度まで含めると、同制度の認知率は、医療従事者で80・0%、一般国民で39・1%だったが、内容を含めた「確実認知」は医療従事者でも37・2%、一般国民では5・3%にとどまることが分かった。
総合機構は、広報戦略の一環として、OTC薬の外箱表示等を通じて医薬品副作用被害救済制度や生物由来製品感染等被害救済制度の認知向上を図っている。
今回、インターネット調査で認知状況を調べたところ、医療関係者における制度の認知率は、薬剤師が96・7%、医師85・4%、看護師61・0%、歯科医師71・4%だった。ただ、確実認知については、薬剤師が68・9%と比較的高いものの、医師35・8%、看護師11・9%、歯科医師22・6%といずれも低水準で、特に看護師の認知不足が際立った。
また、制度の認知内容としては、副作用の被害者を迅速に救済する目的の公的制度であることや、適正に使用して発生した健康被害に救済給付を行うことについては、約8割の認知が得られたが、全ての医薬品が救済対象とならないことは約4割、請求期限があることは約2割の認知にとどまった。
さらに、健康被害制度を勧めたいか尋ねたところ、「勧めたい」48・7%、「どちらともいえない」50・4%だったが、「勧めたくない」とする回答が0・9%あり、診断書などの必要書類が複雑・面倒であることや、時間がかかることが主な理由だった。
一方、一般国民については、名前を聞いたことがある程度まで含めると、東北地方の認知率が41・2%で、他エリアに比べて若干高いが、確実認知に地域差はみられなかった。また、制度の関心度を尋ねたところ、83%が関心があると答えており、利用したいとする回答も84・4%に上った。