
ジェネリック大手の独サンド日本法人の中道淳一社長は5日、都内で記者会見し、バイオ後続品として日本初となるヒト成長ホルモン製剤「ソマトロピンBS皮下注『サンド』」の発売を受け、「グローバル企業の強みと日本の体制を合わせ、世界的なバイオ後続品のパイオニアとして、日本での信頼性獲得を最優先させたい」との考えを示した。その上で、従来のジェネリック医薬品(GE薬)とバイオ後続品を車の両輪と位置づけ、その相乗効果によって事業拡大を目指す方針を明らかにした。
サンドは、世界で初めてバイオ後続品として、ヒト成長ホルモン製剤「オムニトロープ」を上市し、グローバルではエポエチン製剤「ビノクリット」など3製品を発売。バイオ後続品の2009年上半期グローバル売上高は、前年同期比62%増の成長を見せている。
一方、9月24日には、グローバル製品のシェアが70%と大幅に増加する日本でも、初めてバイオ後続品を発売した。中道氏は、「13~14年には、全世界で特許切れする従来製品とバイオ製品の比率が同じになる」と指摘。「日本市場でも、特許切れしたバイオ後続品にアクセスできるGEメーカーに大きな機会が生まれる」と成長拡大に自信を示した。
その上で、日本初のバイオ後続品の発売となることから、「世界的なバイオ後続品のパイオニアとして、日本でも万全の安全管理で責任を果たし、患者さん、医師、薬剤師に新たな選択肢を提供できる信頼ある企業になっていきたい」と意気込みを語った。
今後、サンドはバイオ後続品に特化せず、従来のGE薬とバイオ後続品を両輪として事業展開を進める方針だ。中道氏は「GE薬とバイオ後続品がお互いにシナジーを発揮することで、日本で信頼される企業となり、それが売上拡大、医療費削減に貢献することにつながる」と述べた。