厚生労働省は、少数レセプトを手書きで請求してたり、常勤薬剤師等が全て65歳以上の薬局などに、オンライン義務化を免除する例外規定を定める省令改正を行う方針を固めた。これに併せて、既にオンライン請求が義務づけられているレセプトコンピュータを保有する薬局や病院に対する猶予措置を、1月請求分から解除することとした。いずれもパブリックコメント手続きを経て、11月上旬に施行する予定だ。
今回の激変緩和措置は、今年度補正予算の見直しによる、オンライン化経費支援の減額を踏まえた対応。2011年度から原則オンライン化する方針は堅持しつつ、小規模や高齢等の理由でオンライン請求が困難な医療機関や薬局に配慮した。
免除対象は、[1]レセプト件数が少なく、かつ手書きで請求を行う医療機関・薬局[2]常勤の医師・歯科医師・薬剤師が全て高齢者の診療所・薬局[3]電子レセに対応していないレセコンのリース期間または減価償却期間が終わるまでの医療機関[4]オンライン請求が困難な個別の事情のある医療機関等――の4種類に分かれる。
このうち、[1]少数レセプトについては、医科医療機関と薬局は年間3600件以下、歯科は年間2000件以下であることが条件。オンライン化による費用対効果が継続的に見込めないことが理由。
[2]高齢者については、今回の省令改正前の義務化期限到来時点で65歳以上であることが条件。
[3]リース・減価償却に配慮した免除措置は、最大14年度末までに限ったもの。今年4月以降にリース開始や購入を行った医療機関や、今年度から義務化が猶予されている病院・薬局は対象とならないが、現在、義務化を猶予されており、レセプトが年間1200件以下の薬局については、リース・減価償却の終了時まで(最大で10年度末)猶予を受けることができる。
[4]個別事情については、▽回線設備の障害▽レセコン販売業者や回線業者の納入・工事の遅れ▽電子媒体で請求可能な医療機関で代行送信の体制が未整備▽改築工事・仮施設で営業中▽概ね1年以内で廃止または休止▽その他特に困難な事情があると認められるもの――を明確化。原則として事前に審査支払機関に届け出る必要がある。
このほか、来年5月請求分から予定していた医科診療所のオンライン移行時期を、同8月請求分からに延ばす。