服薬補助ゼリー「おくすり飲めたね」‐龍角散とコラボレーションで新発売 ビーンスターク・スノー

2009年11月13日 (金)
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新製品の「ビーンスタークおくすり飲めたね」

 ビーンスターク・スノーは、乳幼児の薬を楽にのみやすくする服薬ゼリー「ビーンスタークおくすり飲めたね」を今月から新発売した。同品は、ゼリー状のオブラート「おくすり飲めたね」シリーズなど、服薬ゼリーという分野を創出し、特許と圧倒的なシェアを持つ龍角散との技術提携で生まれたコラボレーション商品。パッケージデザインは違うものの、同一ブランド名を用いて2社から発売されるという、珍しいケースといえる。両社では、異なった販路での強みを生かし、棲み分けをしながら相乗効果を狙っていく考えだ。


 健康食品部門は、自社通販を含めた「コカレット」シリーズや「King of Konbu」の低迷が影響し、26・1%減の3億3600万円だった。

 乳幼児は服薬の機会が多い一方、薬を嫌がる傾向がある。いかに適切かつスムーズに、乳幼児を含めた子どもに薬をのませるかは、育児の大きな負担の一つといえる。

 龍角散では約10年前に、薬の服用が苦手な人、高齢者や嚥下困難な人に向けて、服薬ゼリー(レモン味)を開発、販売した。現在は子どもに向けた「おくすり飲めたね」シリーズ(ピーチ味、いちご味、チョコレート味、ぶどう味)も加わり、ラインナップが充実している。

 最大の特徴は「特許取得」製品ということ。水では嚥下困難な患者への服薬補助効果や、錠剤の溶出性に影響しないことなど、各種試験に基づいた臨床データが確立されている。体内での薬の効果を妨げず、喉につまらない・むせない安全な性質を持つ、通常のゼリー飲料とは全く異なる、服薬のためのゼリーで、ノンシュガーのため医療現場では糖尿病患者へ勧めるケースも多いという。

 新発売の「ビーンスタークおくすり飲めたね」(分類は清涼飲料水)は、ゼリーが薬の苦みや臭いを包んで、楽にのみ込みやすくする。龍角散の製品と中身は同じだが、7~8カ月頃からの赤ちゃんがのみ込みやすいゼリーの大きさになるよう、工夫を加えている。処方される薬の回数(朝昼晩×3日分)に合わせた無駄のない使い切りサイズ(約10回分、150g)で、乳幼児が大好きないちご風味(無果汁、ノンシュガー、合成着色料・保存料は不使用)。税別希望小売価格は300円。

 今回のコラボレーションについて、技術提携先の龍角散では「ストロー部の形状を工夫したことで、さらに細かいゼリーとした。シロップ剤をのむ際に、コップに少し薬が残ってしまったり、濃い味が嫌で吐いてしまう子もいる。同品を混ぜることで、苦さも感じずに残らずのめる。いちご味を選んだのは、小児のドライシロップと最も相性がいいというのが理由。今後は味を増やすことも検討していきたい」(執行役員企画開発部部長で薬剤師の福居篤子さん)という。

 龍角散の服薬ゼリーは、薬局・ドラッグストアを中心とした販路で、介護施設や医療機関へもアプローチしている。

 これに対し、ビーンスターク・スノーは、乳幼児用ミルク、ベビーフードなどを通じて、出産前後のお母さんたちへ勉強会を実施したり、小児科医との関わりも強い。これまで手薄だった小児向けルートを深耕していくことも、今回のコラボの狙いといえる。

 龍角散の藤井隆太社長は「(服薬ゼリーは)10年ほど展開してきたが、新しいカテゴリーというのか『広告を見て買いに行ったが、どこに置いてあるのか分からない』という声も、意外と多い。薬のコーナー、小児用品のコーナーというように、どこで展開してもいい。1歳ぐらいまでの乳幼児はBS・スノーの製品、大きくなって容量が足りなくなったら龍角散の製品に移ってもらうとか。両社ともに相乗効果を期待している」とする。



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