TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【日本病院薬剤師会】「薬薬連携」は不十分‐退院時指導業務に関する現状調査で判明

2009年12月08日 (火)

 退院時共同指導の実施率はわずか5・5%で、実施予定を加えても1割に満たないことが、日本病院薬剤師会が会員施設に対して行った「退院時指導業務に関する現状調査」で判明した。2008年度診療報酬改定で、「退院時共同指導料」が新設されたが、十分に機能していない結果となった。

 調査は、全国の日病薬会員施設を対象に、▽退院時共同指導▽後期高齢者退院時指導▽薬剤管理サマリー--に関する現状についてアンケート方式で行われ、998施設中658施設(回収率66・1%)から回答があった。

 それによると、退院時共同指導の実施率は5・5%で、今後実施予定施設を加えても9・0%と、1割に満たなかった。

 病院と地域薬剤師会との連絡実施率は16・7%で、実施予定の22・2%を含めると、40%近くの施設が連携を図っていた。ただ、連絡に薬剤師が関与していたのは34・6%だった。

 実施していない理由としては、「退院時共同指導の体制が整っていない」76・8%、「退院後に訪問薬剤管理指導を担う薬局が近隣にない」17・1%、「療養指導等を共同で行う必要のある患者がほとんどいない」12・4%だった。今後の普及について肯定的な意見は12・9%、どちらとも言えないが60・3%、否定的な意見も21・4%に及んだ。

 また、退院時共同指導を行う際の院内での職種連携では、一般的には看護師や医師などとの協働が考えられるが、実際には最も栄養士と協働していることも明らかになった。このほか、療養病床・院外処方型・外科標榜がない施設で、病院薬剤師の参加が多かった。

お薬手帳‐低い入院時の持参割合

 一方、薬剤管理サマリー・お薬手帳の活用に関する調査では、薬剤管理サマリーを「知っていた」が37・8%、「知らなかった」が62・3%と、認知が進んでいない結果となった。特に、療養型施設での認知が低い傾向が見られている。

 薬剤管理サマリーを作成しない理由(複数回答)としては、「時間がない」44・7%、「薬剤情報提供書やお薬手帳で十分」42・4%、「薬剤管理指導を全員に実施できていない」36・5%だった。

 また、お薬手帳を持参する割合は、10%未満が603施設中355施設と58・9%を占め、お薬手帳の有効利用が十分に行われていない現状も示めされた。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術