ライオンは18日から、韓国のCJ第一製糖(本社ソウル市、キム・ジンス社長)を通じ、「バファリンプラス」「バファリンレディ(日本名バファリンルナ)」の解熱鎮痛薬2品を発売する。バファリンブランドとしては、今回が初めての海外市場進出となる。韓国では、日本製品の品質への信頼が高いこともあり、同社では「日本の解熱鎮痛薬のトップブランドで、差別性のある新製品を投入することで、韓国で確固たる市場地位の獲得を目指したい」とすると共に、「今後も独自の研究技術やブランドを、北東アジア及びアセアン諸国に投入し、積極的な事業展開を図っていく」としている。
解熱鎮痛薬「バファリン」は、1962年にブリストル・マイヤーズ(現ブリストル・マイヤーズスクイブ、以下BMS)とライオンが技術・商標契約を締結し、翌63年から日本で発売を開始。以来、OTC市場の解熱鎮痛薬カテゴリーで、トップブランドとして定着してきた。07年6月に、BMSよりアジア・オセアニア地域(中国などの一部の国・地域を除く)におけるバファリンの商標権を取得したことから、ライオンの独自戦略による事業展開が可能になった。
近年、韓国でもセルフメディケーション意識の高まりが見られ、現在は法令により薬局に限定されている医薬品の販売を、スーパーマーケットなどに拡大しようとする動きがあるなど、OTC市場拡大の期待が高まっているという。ライオンでは04年12月に、CJ第一製糖の生活化学品事業を取得し、日用品部門における韓国市場参入を果たしていた。そして昨年、同社とバファリンブランドに関する売買契約の締結に至った。
韓国で発売する「バファリンプラス」は、アセチルサリチル酸に加えて、アセトアミノフェンを配合し、痛みの元と伝わりの両方に素早い効果を発揮するのが特徴。また、無水カフェインが血管性頭痛に対して鎮痛効果を補助し、アリルイソプロピルアセチル尿素が、首や肩こりからくる緊張性頭痛に対し、鎮静作用を発揮する。「バファリンレディ」はのみやすい小粒の錠剤で、二つの鎮痛成分(イブプロフェン、アセトアミノフェン)が生理痛・頭痛を素早くブロックし、二つの鎮痛補助成分(無水カフェイン、アリルイソプロプルアセチル尿素)が鎮痛効果を高め、優れた効き目を発揮する。