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薬系大学の7割が臨床技能教育導入‐新たな業務展開に対応

2010年02月16日 (火)

 全国の約7割の薬系大学が、フィジカルアセスメントやバイタルサイン測定など、臨床技能習得に向けた教育を実施していることが、内海美保氏(神戸学院大学薬学部)らが行ったアンケートで分かった。病棟に常駐し、患者に近い場所で医療安全を担うなど、薬剤師の新たな業務展開が注目を集めており、それに対応した教育が、多くの大学に浸透しつつあることが明らかになった。

 アンケートは、昨年10~11月に全国の薬系大学75校を対象に実施。国公立12校(回収率22・6%)、私立41校(77・4%)の合計53校(70・7%)から回答があった。

 臨床技能教育の導入状況については、「導入している」が36校(67・9%)、「導入準備中または予定」6校(11・3%)、「導入する予定なし」1校(1・9%)、「どちらともいえない」10校(18・9%)だった。準備中まで含めると、約8割の大学が臨床技能教育に前向きな姿勢を示していた。

 臨床技能教育に費やす時間としては、講義が平均225分、実習が平均540分だった。

 講義内容としては、[1]バイタルサインに関する基礎知識[2]心電図に関する基礎知識[3]臨床検査値に関する基礎知識[4]病態生理学、症候学[5]測定機器の使い方――が多かった。

 実習内容は、[1]一次および二次救命処置[2]バイタルサイン測定[3]心電図測定・心電図解析[4]聴診、[5]看護および介護体験――などを行っているケースが多い。このほか、採血や血糖測定、各種検査、静脈注射・筋肉注射の実習を複数の大学が実施していた。

 所有する機器・設備は、[1]聴診器(保有率50・9%)[2]水銀血圧計(41・5%)[3]AEDトレーナー(24・5%)[4]心電計(22・6%)[5]パルスオキシメーター(20・8%)[6]自動血圧計、BLSモデル「レサシアン」、フィジカルアセスメントモデル「フィジコ」(各17・0%)[7]採血・静注シミュレータ(15・1%)--となっていた。

 臨床技能教育を実施する学年としては、1年次の「早期体験学習」「心肺蘇生法講習会」、4年次の「薬物治療学」「実務事前実習」が多かった。

 研究グループは、「各大学は、バイタルサインの測定、フィジカルアセスメントの実習、さらには急性期患者治療のシミュレーションができる機材を揃える傾向にあり、それに対応した講義・実習が行われていることが分かった」としている。



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