今回の診療報酬改定をめぐる最大の焦点は、病院と診療所の再診料統一だろう。議論の中身は、診療所の再診料を引き下げるかどうかを争うものだったが、点数水準とは別に、診療報酬における基本料格差が解消された意味は大きい。日本保険薬局協会らが求めている調剤基本料の一本化も、「一物一価」を徹底しようという考え方で、今改定では、調剤基本料の特例そのものは残ったが、対象要件の緩和や通常点数との格差縮小が図られ、若干の前進が見られた。
現行の調剤基本料は、処方せん受け付け1回につき40点が原則。ただし、処方せん受け付けが月に4000回を超え、さらに特定の医療機関からの集中率が70%を超える場合、特例的に18点となる。厚生労働省医療課によると、特例点数を算定しているのは約600薬局程度で、5万0300薬局の約1%強にとどまる。
改定後は、通常40点の基準は変わらないものの、特例点数は24点に引き上がり、格差が縮まる。
さらに、月4000回超の基準に該当するか判断する際、受け付け回数から、▽時間外加算▽休日加算▽深夜加算▽夜間・休日等加算▽在宅患者訪問薬剤管理指導料▽在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料▽在宅患者緊急時共同指導料▽居宅療養管理指導費(介護保険)▽介護要望居宅療養管理指導費(同)――の処方せんを除外する。
地域医療に貢献する薬局であっても、近隣に比較的大規模な病院が一つしかないために、特例が適用されてしまうといった問題が指摘されていたためだ。
改定の度に区分が統合・再編されてきた調剤基本料だが、今回の地域事情に対する配慮により、特例の対象になるのは、いわゆる大型門前薬局に絞られてきた形だ。