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【大日本住友製薬が新中計】新薬投入しグローバル展開促進‐14年度に営業利益700億円

2010年02月17日 (水)
会見する多田社長

会見する多田社長

 大日本住友製薬は15日、「創造・変革、グローバル化の新たなステージ」へ向けた第二期中期経営計画(2010~14年度)を発表した。新中計では、海外戦略品のルラシドンを中心とした北米での収益拡大、国内事業構造の変革、パイプラインの拡充を目指す。また、利益面では、前半(10~12年)はセプラコール買収に伴う資産評価の償却が要因となって微減益となるものの、償却後の13~14年にはV字型上昇を見込んでいる。

 新中計の経営目標は、売上高4400億円(うち、医薬品事業は3750億円)、営業利益700億円、研究開発費700億円。12年度の営業利益目標は300億円で、13、14年度の2年間で倍増以上の700億円を目指す。

 多田正世社長は、「国内事業に貢献する医薬品の導入ができなかったのが残念」と、第一期中期経営計画の達成状況を振り返り、「統合失調症治療薬『ルラシドン』の米国での自社承認申請や、米製薬企業セプラコール買収により、北米における営業基盤・研究開発拠点の整備・拡大は実現した。70~80点の及第点はつけられる」と総括した。

 新中計の最終年度となる14年度の医薬品事業売上目標である3750億円の内訳についても、「ルラシドン上市とセプラコール買収で、海外売上高比率50%を見込んでいる」と言及。海外売上高を牽引する14年度のルラシドンの米国売上について、「統合失調症と双極性障害の適応症で、少なくとも700億円になる」と予想した。

 国内収益構造の変革では、「コスト構造、製品構成、営業体制の変革の重要性」を強調。12年までに100億円、14年までに120億円超のコスト削減を推進する。

 国内の営業重点取り組み品目としては、高血圧症治療剤「アバプロ」、統合失調症治療剤「ロナセン」、末梢循環改善剤「プロレナール」の3製品を「戦略品」と位置づけ、14年度の売上目標をそれぞれ150億円、220億円、180億円に設定している。

 パーキンソン病治療剤「トレリーフ」(昨年発売)、肝細胞癌治療剤「ミリプラ」(申請中)、糖尿病治療薬「メトグルコ」(申請中)、糖尿病治療薬「レパグリニド」(PIII)、「アムロジン/アバプロ配合剤」(PII)を「新製品」とし、合計売上目標230億円を目指す。

 「重点品」としては、高血圧症・狭心症治療剤「アムロジン」、消化管運動機能改善剤「ガスモチン」、カルバペネム系抗生物質「メロペン」などを指定。既に特許切れの「アムロジン」と「メロペン」、12年に特許切れを控える「ガスモチン」の14年度の売上目標は合計で360億円としており、09年度の売上合計予想870億円に比べて510億円減収となる見込みだ。

 多田社長は、「従来、新薬と長期収載品の売上比率は7対3だったが、アムロジン、メロペンなどの特許切れによって、現在は4対6になった」と説明。その上で、この比率を「第二期中期経営計画で5対5、第三期中期経営計画では7対3にまで戻す」計画を明らかにした。

 海外事業の拡大と収益最大化では、[1]セプラコールを中心とした北米事業展開[2]中国事業の拡大(14年の売上目標100億円)[3]EUでのルラシドン販売提携推進‐‐を目指す。

 新薬の継続創出に向けたパイプラインの拡充では、「毎年1品目のPOC取得」「毎年2品目のPI着手」に向け、ステージごとの取り組み目標を設定。セプラコールのノウハウも生かして、早期に上市可能な製品の積極的導入も推進する意向だ。

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