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【薬食審機器部会】脳梗塞治療など医療機器2品目を了承

2010年02月24日 (水)

 薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会は、センチュリーメディカルが申請した中心循環系塞栓除去用カテーテル「Merciリトリーバー」と、USCIジャパンが申請した振動式末梢血管貫通用カテーテルシステム「クロッサーシステム」の製造販売を了承した。いずれも3月の薬事分科会に報告される。

 センチュリーメディカルの「Merciリトリーバー」は、急性期の脳梗塞患者に対して行われる、組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)の静脈内投与が適応外となる患者や、治療効果が得られない患者の血栓を除去し、血流再開通を図るもの。t-PAの投与は、脳梗塞発症から3時間以内に限定されているほか、出血傾向が強い患者などは適応外となる。

 同製品は、ガイドワイヤーを用いて放射線透視下でカテーテルを塞栓部位の遠位側にまで導いた後、先端部分に血栓の捕捉を補助するために、6本のフィラメントが取り付けられているらせんループ状のリトリーバーを、血栓に絡ませ、回収する。

 脳梗塞発症から8時間を超えた患者に対しては、有効性、安全性が確立していないため、原則として適用しない。承認条件として、▽脳血管障害に対する十分な知識・経験を有する医師のもとで用いる▽緊急時の対応に十分な体制が整った医療機関で用いる――などを付した。

 USCIジャパンの「クロッサーシステム」は、経皮的血管形成術(PTA)の適応患者において、通常のガイドワイヤーの通過が困難な狭窄病変への補助を目的に用いる。

 同製品では、クロッサーカテーテルの先端部が振動するようになっており、ガイドワイヤーに沿ってカテーテルを閉塞部まで進め、先端部分の振動によってガイドワイヤーを通過させる。振動による発熱で血管を損傷しないよう、冷却した生理食塩水をフラッシュしながら病変を貫通させる。
 承認条件はないが、委員からは、講習を受けた医師が用いるべきといった意見が出たという。

1製品をオーファン指定

また、八光の胎児胸水症治療機器「胎児シャント」を、オーファンデバイスに指定することも了承した。同製品は、シャントチューブを胎児の胸腔から母胎の羊水腔まで通して留置することで、胎児の胸腔内に貯留した胎児胸水を持続的に母胎の羊水腔に排出させるもの。これにより、胎児水腫を改善し、肺低形成を予防して妊娠期間を延長させる。

 国内の年間患者数は100人前後と推定される。



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