厚生労働省医薬品食品局安全対策課は、ワルファリンカリウム、メトトレキサート、ボルテゾミブなどの添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう関係企業に指示した。
ワルファリンカリウムについては、血液凝固能検査等に基づいて投与量を決定し、血液凝固能管理を十分に行いながら使用することを追記。ワルファリンの感受性は個体差が大きく、出血リスクの高い患者が存在するため、高用量での出血リスク・年齢・疾患・併用薬等を勘案し、初回投与量をできる限り少量にすることが望ましい旨も加える。
メトトレキサートは、B型、C型肝炎ウイルスキャリア患者への投与で、重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例も認められている。そのため、ウイルスキャリア患者への投与について、投与期間中や投与終了後に、継続して肝機能検査、肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行い、肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意する旨を記載する。また、重大な副作用に脳症を加える。
ボルテゾミブについては、重大な副作用に、皮膚粘膜癌症候群、中毒性表皮壊死症、可逆性後白質脳症症候群を追記。ドルゾラミド塩酸塩も同様の記載を行う。
このほか、重大な副作用欄の改訂として、▽ナルフラフィン塩酸塩に肝機能障害と黄疸▽ベタネコール塩化物にコリン作動性クリーゼ▽カンデサルタンシレキセチル(テルミサルタン、バルサルタン)・ヒドロクロロチアジドに低ナトリウム血症▽モンテルカストナトリウムに劇症肝炎、肝炎--を加えて注意喚起する。
また、組み換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンについて、接種後に血管迷走神経反射として失神が現れることがあるため、接種後30分程度は被接種者を観察することなどを加える。
一般薬では、ブロムヘキシン塩酸塩やケトプロフェンを含有する製剤について、服用後すぐに蕁麻疹、浮腫、胸苦しさ等と共に、顔色が青白くなり、手足の冷え、汗といった重篤な症状が現れることがある旨を加える。