シーエーシー(CAC)は19日、モス・インスティテュートのCRO事業を譲受すると共に、昨年に資本・業務提携したSMO大手の綜合臨床ホールディングス(HD)の株式保有比率を9・05%から20%に引き上げ、持分法適用関連会社化すると発表した。ITサービス企業の同社は、相次ぐ子会社化でCRO事業の拡大を進めているが、モス・インスティテュートの事業を譲受することで、データマネジメント(DM)業務を補強。さらに、綜合臨床HDへの出資比率を高め、SMOとの連携強化にも動き出した格好だ。
CACは、CROの「CACクリット」「アームシステックス」などを傘下に収め、2008年10月にはMICメディカルの発行済み株式の19・55%を取得。09年3月には資本・業務提携契約を締結し、株式公開買い付けを実施した結果、5月にはMICメディカル株式の36・46%を保有する筆頭株主になった。
また11月には、クリニカルトラストを子会社化するなど、M&Aによってモニタリング業務を補完し、CRO事業を拡大してきた。一方、12月には、大手SMOの綜合臨床HDと資本・業務提携契約を締結。同社の発行済み株式の9・05%を取得し、SMOとの連携にも乗り出していた。
こうした相次ぐ子会社化、資本提携は、DMを中心にCRO事業を展開してきたCACが、モニタリング業務を強化するために行ってきた。今回、よりITのノウハウを取り込み、製薬企業の開発支援を拡大するため、モス・インスティテュートのCRO事業を譲受することを決めた。譲受は5月1日を予定している。
またCACは、綜合臨床HDが行う第三者割当を引き受け、同社の株式を追加取得した。これにより、CACが保有する綜合臨床HDの株式比率は9・05%から20%に増加し、持分法適用関連会社となった。CACは、CRO業務の拡充に加え、さらにSMOとの連携強化が必要と判断し、綜合臨床HDを持分法適用関連会社化することにした。
ただ、中長期的には、「新しいビジネスモデルを確立するための提携」(広報IRグループ)と位置づけ、CRO、SMOに次ぐ第三の柱を視野に入れた包括的提携関係と説明している。