調剤薬局チェーン大手のクオール、ドラッグストア大手のグローウェルホールディングス、医薬品卸大手のメディパルホールディングスの3社は、高齢社会に対応する新業態薬局(ドラッグストア)を運営する共同出資の新会社を6日に設立した。3社は今年1月29日に業務提携契約を結び、調剤薬局とドラッグストアの融合による新業態店の開発、薬剤師教育の共有化など、3社の経営資源の有効活用について協議してきた。今回、検討内容を事業として着実に発展させていくため、新会社を設立したもの。
新会社の社名は、3社の頭文字を取った「ジーエムキュー(GMQ)」で、住所は東京都新宿区四谷1の17。社長には、元第一三共埼玉支店長の佐藤賢治氏が就任した。資本金は1億円で、出資比率はクオールとグローウェルHDが各40%、メディパルHDが20%。
近年、急速に進む人口の高齢化と共に、国民の健康に対する意識が一段と高まっている。調剤薬局市場では、医薬分業の進展が鈍化しつつある中で、処方せんの流れが、身近な生活圏で薬を受け取る“面対応型”へシフトしていくことが予想されている。ドラッグストア業界も、消費の低迷、出店競争や価格競争、改正薬事法施行に伴う異業種の参入といった環境に直面し、生き残りに向けてさらなる独自性や差別化戦略が問われる状況となっている。
新会社では、こうした社会環境の変化にも対応し、主に地域の中高年層の顧客を対象として、既存の調剤薬局・ドラッグストア業態にはない、付加価値と専門性を備えた新業態薬局を開発し、展開していく。早ければ秋頃に出店したい考え。
新業態のこれまでの構想では、調剤室を備えた薬局機能に、OTC・サプリメント・健康食品・介護用品を取り扱い、それぞれの相談コーナーを充実させ、さらには介護・排泄環境の相談、介護食試食などの栄養相談、漢方相談などを盛り込むことを検討してきた。また、ハーブティなどのカフェ、育児相談、料理教室やヨガ教室などもできる多目的スペースも、視野に入れている。
なお、新会社では「“顧客から信頼される薬剤師”をテーマに、薬剤師教育事業にも積極的に取り組んでいきたい」としている。