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【08年度の外資系企業動向】医薬品企業は米欧が多数‐研究開発費は他産業の倍に

2010年05月26日 (水)

 経済産業省は、2008年度の「外資系企業動向調査」概況を公表した。全産業としては、アジア系企業の割合が4年連続して拡大しているのが特徴だが、医薬品企業では米国、欧州の企業が圧倒的に多い。常時従事者数は輸送機械企業を中心に大幅に減少、医薬品企業でも減少していた。また、医薬品企業の研究開発費は、他の産業よりも売上高に占める割合が高く、平均額は2倍となっている。

 09年3月末の集計企業数は、前年より6%減少し2762社。製造業も前年より20%減少し525社、非製造業も2%減の2238社となっている。全産業に占める割合は、製造業が19・0%、非製造業が81・0%。

 業種別に見ると、卸売業が最多で1206社、全産業の43・6%を占めた。次いでサービス業の376社、情報通信が306社の順になっている。母国籍別に見ると、欧州系企業が1175社(シェア42・5%、前年度に比べ0・9%増)、米国系企業が849社(30・7%、1・3%減)、アジア系企業581社(21・0%、0・2%増)となっている。

 このうち医薬品企業は、前年より9社減り34社。欧州系企業が18社(うち英国2社、フランス3社、ドイツ3社、スイス2社、オランダ5社)、北米企業が13社(米国企業12社)、アジア系企業が3社となっている。その資本金規模は、10~100億円が最も多く11社、次いで5000万円以下が8社、100億円超が5社、1億~3億円と3億~10億円がぞれぞれ4社、5000万~1億円が2社だった。

 常時従業者数は43万8000人で、前年度に比べ26%減少した。製造業は19万5000人で16%減、非製造業が24万3000人で32%減となった。業種別では、製造業の輸送機械が6万3000人で28%減、化学が1万2000人で24%減、非製造業の卸売業は6万3000人で9%減となってる。

 医薬品企業の常時従業者は、前年度より5000人少ない32社3万5000人となった。米国系企業は10社8700人、欧州企業が18社2万6000人となっている。

 売上高は、前年度より5%減の37兆4000万円。製造業が20兆5000万円(前年度より9%減)、非製造業は16 兆9000万円(1%減少)。業種別にみると、製造業では輸送機械が4兆8000万円(45%減)、化学が1兆3000万円(34%減)。非製造業では情報通信業、サービス業などで減少している。輸出高は、5兆5000万円(25%減少)となった。

 医薬品企業の売上高は、前年度より3000億円程度減少し、31社で2兆4000億円。うち、輸出高は13社1000億円だった。米国企業10社の売上高は5800万円で輸出高は5社570万円、欧州企業17社では1兆8100万円を売り上げ、うち輸出大は8社で427億円となっている。

 経常利益は1兆1000億円(前年度より54%減)。製造業が5848億円(63%減)、非製造業は5151億円(37%減)。業種別では、製造業の生産用機械が赤字に転じた。非製造業では、小売業が前年度より26%減少した。

 医薬品企業の経常利益は、前年度より1200億円程度減少し、29社で2590億円となった。米国企業が10社477億円、欧州企業が16社2090億円、アジア企業が3社17億円となっている。

 設備投資額は1兆0138億円(前年度より35%減)。製造業は7578億円(39%減)、非製造業は2560億円(23%減)。業種別では、輸送機械が前年度より69%減、情報通信機械が29%減少となった。研究開発費は、製造業が1社平均30億1000万円で、前年度より7%減少した。

 医薬品企業の投資設備額は21社352億円で、米国企業は6社38億円、欧州企業が12社302億円、アジア企業が3社10億円だった。研究開発費は、19社で1165億円(1社平均61億円、売上高研究開発費比率6%)。米国企業が5社118億円(27億円、3・4%)、欧州企業が11社1037億円(94億円、7%)、アジア企業が3社9億円(3億円、6%)となっている。

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