中央社会保険医療協議会は26日の総会で、DPCの包括評価の対象から、ドキソルビシン塩酸塩に関連する卵巣癌の診断群分類を除外することを了承した。ドキソルビシンを使用すると、他の症例に比べて平均在院日数が短い上に、1入院当たりのコストが高くなることが明らかになったためだ。厚生労働省は、6月1日から出来高に移行させるための手続きを進める。
ドキソルビシンは、癌化学療法後に増悪した卵巣癌の適応が昨年4月に追加されて以降、高額薬剤の基準に該当したため、同剤を使用する患者に限って、緊急避難的に出来高算定する措置をとってきたが、4月改定で既存分類の中に組み込まれた。
しかし、中医協総会の指示を受けて厚生労働省が、ソラフェニブトシル酸塩など他の薬剤を含めて、今回改定まで包括外となっていた高額薬剤について、薬剤費が包括点数に反映されているか調査した。その結果、ドキソルビシンについては評価が不十分なことが判明した。
今後は、卵巣癌のうち該当する5分類については、ドキソルビシンを使用しない患者も含めて、次期改定まで出来高算定とする。その後の取扱いは、高額薬剤全体の議論の中で決める。
薬剤費の反映が不適切であることを理由に、改定後に包括評価から除外する対応は、今回が初めて。総会では、次期以降の診断群分類の見直しの際には、コストデータを考慮すべきとの指摘が出た。