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【薬剤の併用実態調査】高齢者の6割で5種類以上処方‐1/3はOTC薬も併用

2010年06月18日 (金)

 東京大学の草間真紀子助教(薬学系研究科医薬品評価科学)と日本薬剤師会が、高齢者を対象に共同で実施した「ブラウンバッグ運動-薬局薬剤師による服用薬の包括的な併用実態調査」の報告書がまとまった。その結果、患者の6割に5種類以上の薬剤が処方されていることや、3分の1以上の患者はOTC薬も併用していることが分かった。使用している医薬品の平均は8種類だった。

 ブラウンバッグ運動は、1990年代に全米患者情報教育協議会が始めた医薬品の適正使用を目的とした活動。開始当初、米国の薬剤師が茶色の紙袋を患者に渡し、医薬品を入れて薬局に持参するようにしたことから、名付けられた。

 今回の調査対象地域は広島県。県と同県薬剤師会が協力し実施された。調査期間は、昨年10~12月の3カ月間。県下の会員薬局で、来局者に専用のバッグを配布し、服用している医薬品を入れて提出してもらった。参加者は508人。年齢の内訳は、65歳以下が49人(9・6%)、65~75歳が188人(37・0%)、75歳以上が271人(53・3%)となっている。

 調査の結果、処方薬を使用している患者は493人(97・2%)で、このうち315人(61・6%)は5種類以上を併用していることが分かった。また、OTC薬も併用している患者が184人(36・2%)、サプリメントを併用している患者が282人(55・5%)だった。

 使用数の平均は、処方薬が6・63種類、OTC薬が1・56種類、サプリメントが1・84種類となっている。

 また、アロプリノール、センノシド、テプレノンの重複投与が各1件、原則使用禁忌となっているベザフィブラートとHMG-CoA還元酵素阻害薬の併用が2件、それぞれ確認された。

 報告書では、国内における服用薬の使用実態がある程度明らかになったとし、今後はより多くの保険薬局と協力することで、調査結果を高齢者における処方薬等の適正使用推進に役立てたいとしている。



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