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【独サルティゴ】治験薬の受託製造で日本市場開拓

2010年7月14日 (水)

ジョーンズ氏

ジョーンズ氏

 ドイツの受託製造企業「サルティゴ」は、治験薬の受託製造に注力し、日本市場の売上拡大を目指す。マーケティング・販売担当責任者のトニー・ジョーンズ氏は、本紙の取材に「日本の顧客から、高い技術・品質水準が求められている中で、逆にサルティゴの特徴である高い技術、能力を生かせるチャンス」とし、「まず治験薬の受託製造を手がけることで、将来的な商業生産のアウトソーシングにつなげていきたい」と、ビジネス拡大への意欲を語った。

 ドイツの特殊化学品企業「ランクセス」の受託製造子会社として設立されたサルティゴは、2008年に米国ワシントン州のレッドモンドに受託製造拠点を設立。前臨床から第II相試験までの原料製造が可能になったことで、医薬ビジネスの強化を進めてきた。ジョーンズ氏は「受託キャパシティーには十分な余裕があり、メガファーマの大型製品の受託と共に、バイオベンチャー等が手がける開発初期段階のプロジェクトも狙っていきたい」と話す。

 最近、大手製薬企業は、自社製造工場の規模縮小を加速させている。ジョーンズ氏は「アウトソーシングが拡大することに疑いの余地はない」とし、「日本市場でも治験薬の受託数が増えてきている」と手応えを語る。昨年度は、大手製薬企業の合併、経済不況を受け、製造受託メーカーにとって厳しい環境に見舞われたが、日本では「昨年に比べて、さらにビジネス機会が拡大している」(ジョーンズ氏)状況で、順調に市場開拓が進展しているという。

 ただ、日本市場の特徴として、開発早期段階の治験薬の製造アウトソーシングが多く、市場開拓に時間を要することが挙げられるが、ジョーンズ氏は「まず、治験薬の製造を手がけることで、将来的な商業生産のアウトソーシングを育てるという長期的視野に立ち、日本市場を開拓していきたい」と話している。

 また、日本企業に対しては、品質、申請資料、製造プロセスバリデーションに関して、非常に高い水準と技術レベルが求められるとされるが、ジョーンズ氏は「逆に、われわれにとって日本市場は、強みとする能力を生かせるいい機会だ」と強調する。実際、同社は、米国食品医薬品局(FDA)の査察で「指摘事項なし」の評価を取得した。医薬事業における製造技術、品質保証水準の高さが裏付けられた格好となった。

 こうした強みを背景に、アウトソーシングに慎重な日本の製薬企業には、長期的な関係を重視する姿勢を訴える。「われわれは、多くの情報を集めた上で、プロセス改善の努力を続ける決定を下してきた。その意味で、サルティゴと日本の企業文化とは類似点がある」と日本の顧客との関係深化に自信を示す。

 05年の改正薬事法施行を受け、医薬品製造全般を外部委託できるようになったことから、日本市場は受託製造メーカーに追い風の状況にあるが、まだ同社のグローバル売上高に占める日本の割合は少ないのが現状。ただ、ジョーンズ氏は「治験薬の受託プロジェクトが増加しているので、近い将来には、グローバルに占める日本市場の割合は非常に大きな意味を持っている」と今後に期待をかける。

 医薬品の受託製造ビジネスは、世界的に競合が激しさを増している。こうした中、同社は、歴史ある化学企業としての豊富な実績と、高い化学合成技術を前面に打ち出し、トータルコストの低減をアピールしていく考えだ。

 ジョーンズ氏は「顧客との関係で最後の決め手になるのはイノベーションである。イノベーションを通じて、顧客が抱える問題に対し、適切なソリューションを提供することが鍵になる」と指摘。「われわれと顧客が手を組み、お互いに協力して、サプライチェーンを築き上げていこうという姿勢で取り組んでいきたい」と意欲を語っている。




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