厚生労働省医政局研究開発振興課が、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討結果を踏まえ、開発企業を募集している17品目のうち、15日までに、8品目について製薬企業から手が挙がり、残り9品目となったことが分かった。同課は、日本製薬団体連合会の会合で対応を呼びかけると共に、16日付で事務連絡を日薬連、米国研究製薬工業会、欧州製薬団体連合会に発出し、開発意思を申し出る方法などを周知した。
ライセンスなどの関係で、開発企業が国内にない17品目のうち、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム塩にはグラクソ・スミスクラインが、プロゲステロンの経膣剤と経口剤には富士製薬工業が、募集開始時点で開発意思を示し、その後、アルデスロイキンにも名乗りを挙げる企業が現れていた。
また、フェニル酪酸ナトリウムとベタインは、検討会議の前身である「未承認薬使用問題検討会議」から引き継いだもので、特にフェニル酪酸ナトリウムは、シミックが手を挙げていることが既に公表され、これら6品目については、開発のメドが立っていた。
同課によると、さらに、▽N―アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症に対する「カルグルミック酸」▽チロシン血症I型に対する「ニチシノン」▽薬剤性のメトヘモグロビン血症に対する「メチレンブルー」--の3品目についても、対応可能な企業が現れたという。
今後、開発を希望する企業は同課長宛に、[1]開発の意思と対象とする医薬品名[2]企業名公表の可否--を文書で提出する。企業名を公表しない場合には、公表可能になる時期の目安も記載する。また、意思表示の状況は毎月10日、25日までの情報を、1週間をメドに厚労省のホームページで公表される。なお、同課は、既に名乗りを上げた企業のある品目についても、新たな企業の開発希望を排除しない考えだ。