厚生科学審議会予防接種部会は、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて、「予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべき」との意見書を、細川律夫厚生労働相に提出した。
予防接種制度をめぐっては、同部会で抜本改正に向け、年末の提言取りまとめを目指して検討を進めている。しかし、Hib、肺炎球菌、HPVの3ワクチンは、有効性・安全性が高い上に、国民の要請も強く、世界保健機関も全地域での接種を勧告しているにもかかわらず、対応が遅れているため、法的な根拠づけを前倒しすべきと判断した。
Hib、肺炎球菌の感染は、細菌性髄膜炎による乳幼児の死亡、HPV感染は子宮頸癌による女性の死亡の原因となっている。特にHibと肺炎球菌に感染すると、重度の後遺症が発生する可能性が高く、さらに、両細菌では抗菌薬耐性獲得の頻度が高まっており、治療に難渋する傾向が強まると予想されているという。
現在、3ワクチンの接種を、定期プログラムとして実施していないのは、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなど先進7カ国で日本のみ。