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【日衛連】衛生材料は値上げ必至‐中国依存度の高さが影響

2010年10月13日 (水)

 医療用ガーゼや脱脂綿など、衛生材料の原価・原料価格が高騰している。原料となる綿花が世界的に不足しているのに加え、中国への依存度が高い日本の場合、中国の人件費や物価の急激な上昇、さらに人民元相場なども影響し、「衛生材料の価格上昇は、必然的かつ持続的なものになる」と、日本衛生材料工業連合会では分析。「既に、原料高から採算が取れない状況にあり、価格改正なしにこの状況を乗り切ることは難しい」と窮状を訴えている。

 日衛連によると、世界的な綿花資源不足の影響を受けて、原綿価格は高騰が本格化した2009年10月から10年6月までに、6400元/トン、率にして50%強上昇。特に10年3月以降は、毎月1トン当たり1000元単位で値上がりし、毎月輸入価格が更新されるなど、大きな影響が出ているという。

 衛生材料は、国内生産による安定供給確保が年々難しくなって、高品質、安定供給、低コストを求めて、90年代から生産基地を海外に移している。現在では、医療用ガーゼの90%以上、医療用脱脂綿の40%程度を中国で生産し、輸入している。

 中国では、人件費や物価の上昇が顕著で、さらに生産するための電気代、水道代、蒸気代なども大幅に上昇している。そのため、大半が中国生産となっている衛生材料の価格は、今後も上昇をたどると見られている。

 日衛連ではそうした状況を踏まえて記者会見し、衛生材料業界を取り巻く状況が深刻化していることを訴えた。その上で、「今夏の異常気象は農作物である綿花への影響も計り知れず、今後の推移も全く想定できない状況」とし、「国内衛生材料業者は、輸入品のみならず、国内生産品についても、既に原料高から採算が取れない状況にあり、各社とも価格改正なしにこの状況を乗り切ることは難しいと思われる」と訴えた。



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