細川律夫厚生労働相は19日、「臓器移植の実施状況に関する報告書」を参院厚労委員会に提出した。それによると、2009年度に心臓5件、肺8件、肝臓4件、腎臓149件、膵臓5件、小腸2件、眼球(角膜)1627件の移植が行われたことが分かった。このうち心臓、肺、肝臓、膵臓、小腸の全てと、腎臓の10件、眼球の6件が脳死者から提供された。また、膵腎同時移植は5件行われた。
移植希望登録者数は9月末現在で心臓167人、肺137人、心肺同時4人、肝臓248人、腎臓1万1564人、肝腎同時6人、膵臓41人、膵腎同時138人、小腸4人。眼球は8月末時点で2685人に上る。
また、脳死判定や倫理委員会による承認など、厚生労働省のガイドラインで求めている条件を満たし、臓器を提供できるのは344施設で、このうち18歳未満の提供者に対応できるのは65施設だった。
一方、移植関係学会合同委員会が選定した移植施設は心臓9施設、肺7施設、心肺同時2施設、肝臓21施設、膵臓18施設、膵腎同時18施設、小腸9施設となっている。15歳未満の患者に心臓移植が可能なのは、7施設となっている。
脳死判定は、臓器移植法が施行された1997年10月から今年9月末までで合計101件。09年度は5件だった。また、今年7月の改正臓器移植法施行により、本人が書面で意思表示しなくても、家族の承諾で脳死と判定できるようになってから、9月末までに脳死判定されたのは14人で、このうち13人が家族承諾だった。
移植結果は、5年生存率で心臓が95%、肺が70・7%、肝臓が79・0%、腎臓が90・6%、膵臓が98・2%。小腸は3年生存率で75・0%。拒絶反応や機能不全に陥ることなく移植した臓器が機能している患者の割合を示す生着率は、5年で心臓が95・1%、肺が70・7%、肝臓が79・0%、腎臓が73・0%、膵臓が80・7%。小腸は3年で75・0%となっている。