東京都福祉保健局は、「都民の健康と医療に関する実態と意識」の調査結果をまとめた。それによると、自分の健康状態を「良い」(まあ良いを含む)と感じている割合は約8割で、健康や食生活をより良い方向にすることに関心がある割合も約9割に達した。また、約3割が過去1年間に健診や人間ドックを受けておらず、理由として「現在、健康に問題はなく、必要性を感じないから」が最も多かった。
調査は、3952世帯を対象に、満20歳以上の世帯員7837人について行われ、7259人(男性3426人、女性3833人)から回答があった。
その結果によると、自分の健康状態については、「まあ良い」が54・2%で最も多かった。「良い」は24・5%で、合計78・7%が良好と捉えていた。健康や食生活の改善意欲に関しては、「十分にある」が53・2%、「少しある」が36・0%で、健康や食生活の改善意欲が高いことが分かった。
調査では、健康食品の使用状況なども調べた。健康食品に対するイメージでは、「栄養補給に必要」が44・5%でトップ。次いで「高価」29・7%、「病気の予防や治療につながる」26・2%が続いた。一方、「効果が期待できない」(21・4%)や「信用できない」(19・7)%といった回答もあった。
40~75歳未満の4230人には、健診・保健指導の状況も聞いた。過去1年間に健診・人間ドックを「受けた」のは68・2%、「受けていない」が29・8%だった。2006年度の調査時と比べ、「受けた」の割合は5・4ポイント減少、「受けていない」の割合は3・8ポイント増加した。
「受けた」の回答者のうち、▽肥満▽高血圧症▽糖尿病▽脂質異常--のいずれかの指摘を受けたが53・5%で、半数を超えた。また、「指摘あり」とした人の指摘内容では、「脂質異常」の割合が最も高く55・6%、次いで「高血圧症」が42・4%、「肥満」が32・5%で続いた。
さらに、「指摘あり」の人に特定保健指導を受けたかどうかを質問したところ、「受けた」は28・8%にとどまった。「特定保健指導の案内はなかった」も43・2%に上った。
「受けていない」の理由としては、「現在、健康に問題はなく、必要性を感じないから」が38・8%でトップ。「時間がとれなかったから」が27・2%で続いた。
癌検診の受診状況では、過去1年以内もしくは2年以内に「受けた」割合は、胃癌が25・9%、大腸癌が26・0%、肺癌が30・3%、乳癌が28・5%、子宮癌が32・0%という状況だった。
それぞれの癌検診受診者に受診機会を聞いたところ、胃癌、大腸癌、乳癌、子宮癌では「病院や人間ドックで個人的に行う検診」を受ける割合が高かった。肺癌は、「職場における検診」が36・9%でトップとなった。
癌検診を受けた理由としては、「職場の検診内容にあったから」が31・7%で最も多かった。そのほか、「年齢的に検診の必要性を感じたから」が27・8%、「癌を早期に見つけるため」が24・7%、「市区町村の検診にあったから」が24・3%などだった。
一方、受診しなかった理由では、「現在、健康に問題はなく、必要性を感じないから」が約41~50%でトップ。2位の「費用がかかるから」(約11~14%)を大きく引き離した。