
白石氏
日本オラクルは2011年度に、医療情報のネットワーク化を支援する「医療情報連携基盤」(EHR)事業に本格参入する。医療機関や研究機関の臨床・患者データを統合し、医療情報の連携基盤を構築。複数の医療機関が共同利用できるシステムとして提供を目指す。26日に都内で開いた記者会見で、執行役員エンタープライズ営業統括本部公共システム事業本部長の白石昌樹氏は、「EHR事業に参入し、13年度には医療ビジネスでの売上高を現在の2倍、15年には4倍までに高めたい」との目標を語った。
米オラクルは、医療分野への投資を積極化しており、4月には製薬企業向けにEDCシステム等を提供する米フェーズフォワードを買収。研究開発から診療まで一体化したソリューションを、提供することが可能になった。現在、北米・欧州・アジアの政府、医療機関、関連企業向けに、医療のIT化を提案し、ソリューションの導入を推進している。
こうした中、同社は、日本政府が医療のIT化に積極的な投資を加速させていることから、国内でもEHR事業に参入することを決めた。EHRは、国・地域レベルの医療情報ネットワーク化と情報共有・活用を支援する情報基盤となるもので、同社は医療機関や研究機関の患者・臨床データを統合し、複数の医療機関で共同利用できるシステムを目指す。
白石氏は、「海外でのノウハウを活用しながら、EHRソリューションの日本化に取り組みたい」と強調。今後、専任の営業・技術チームを立ち上げ、国内外で実績のあるベンダーとの協業を進めながら、国内でEHRを推進する方針を明らかにし、「EHR事業に参入することで、売上高を伸ばしたい」と語った。