BDP配合の点鼻ステロイド薬

佐藤製薬は、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(BDP)を配合した、点鼻ステロイド薬「ナザールAR〈季節性アレルギー専用〉」(第1類医薬品)を12月7日から新発売する。医療用で使われていたステロイド薬成分のBDPをスイッチした点鼻ステロイド薬は、今回が初めて。スギ花粉症など季節性アレルギー専用の製品として発売する。初年度売上(出荷ベース)は、同社の決算期である来年7月までの約7カ月間で、約3億5000万円を計画している。
BDPは、日本グラクソ(現グラクソ・スミスクライン)が医療用医薬品として国内で販売していた点鼻ステロイド薬の成分。佐藤製薬では、日本グラクソとライセンス契約を結び、独自に製剤検討・開発および臨床試験を行い、スイッチOTC薬として承認を取得した。
BDPは、日本では1981年に医療用医薬品として承認され、長年にわたって使用されている薬剤。微量で局所作用に優れ、かつ吸収されにくく、全身的な影響が少ないとされており、安全性と効果に関する豊富なデータが蓄積されている。
BDPを配合した「ナザールAR〈季節用アレルギー専用〉」は、強力な抗炎症作用と抗アレルギー作用によって、つらいアレルギー症状に優れた効果を発揮する。また、抗ヒスタミン成分が入っていないため、眠くなる心配がなく、朝夕1日2回の使用で効果が持続する。
来シーズンはスギをはじめとした花粉飛散量が多いと予想されており、同社では「ナザール」ブランドに、点鼻ステロイド薬を加えることで、ラインナップを強化した。税込み価格は、10mL1974円。
イメージキャラクターには、かぜ薬「ストナ」に引き続き、浅田真央さんを起用。「ナザールAR〈季節性アレルギー専用〉」の新発売に合わせ、長くよく効く「ナザール」ブランドをアピールしていく。最需要期の2月から、テレビCMや雑誌広告、交通広告を展開する予定にしている。
また、新製品は第1類医薬品のため、情報提供による販売が重要になってくることから、薬剤師向けの情報提供ツールも作成。基本的な製品解説書や消費者への情報提供文書、店頭でスムーズに適正使用をチェックするためのツールなどを用意した。
さらに、OTC薬で初めての点鼻ステロイド薬ということで、製品についての確かな情報を持ってもらうため、薬剤師向けのセミナーを12月から全国の主要10都市で開催することにし、現在準備を進めている。