中堅CROのメディサイエンスプラニングは、来年2月1日付で医薬学術出版社「臨床医薬研究協会」の全株式を、SMOのノイエスと共同取得する。出資比率はメディサイエンスが49%、ノイエスが51%。月刊誌「臨床医薬」や医学専門書を発行する同協会は、傘下にSMOのエス・エイ・エヌ(SAN)も展開しており、今回の関連会社化によって、ノイエスと医療機関との関係をさらに強化したい考え。
メディサイエンスは、昨年6月に糖尿病領域に強いCROのシーポックを子会社化すると同時に、ノイエスと業務提携を行った。CROとSMOのグループ化が進む中、医療機関との連携強化を打ち出すメディサイエンスは、ノイエスとの提携によってSMOとの関係も深めてきた。今回、同協会の株式を取得し、北海道と沖縄の中核医療機関に強いネットワークを持つSANを関連会社化することで、SMOと医療機関との連携をさらに強化したい考えだ。
今回の株式取得により、同協会はメディサイエンスの持分法適用関連会社、ノイエスの子会社となる。傘下のSANもノイエスの子会社として存続させる予定。
【東京臨床CROの事業も譲受】
さらにメディサイエンスは、来年1月1日付で東京臨床CROのCRO事業を譲受する。東京臨床CROの手がけるプロジェクト、顧客は全て譲受するが、人員については15人を引き受ける。
国内CROの再編が急速に加速する中、小規模CROの淘汰が相次ぎ、最近はSMOを巻き込んだ相互買収が活発化している。今回、メディサイエンスが同協会を共同買収したのは、強固な医療機関ネットワークを持つ傘下のSANを取り込み、SMOのノイエスとさらに連携を強化する狙いがある。
最近ではCRO、SMO単体での生き残りは厳しくなっており、グループ化や多角化が進んでいる中で、今後もCROとSMOが相互に参入した形の再編劇が活性化しそうだ。