調剤薬局大手の阪神調剤薬局(芦屋市、岩崎壽毅社長)は12日、同社株式を保有していたヴァリアント壱号投資事業有限責任組合が、11日付で阪神調剤薬局創業家と取引先卸3社(アルフレッサホールディングス、東邦ホールディングス、メディパルホールディングス)に譲渡したことを明らかにした。これにより、創業家の持ち株比率は50・1%となり、残る49・9%を卸3社が出資する形で保有することになった。卸側の出資比率はアルフレッサが28・4%、東邦が16・6%、メディパルが4・9%。
株式譲渡について、阪神調剤薬局では「卸側の出資比率は議決権の過半数以下のため、阪神調剤薬局としての経営の独自性は保てる。また、取引に関して、3社に絞り込みを行うという考えではなく、従来通りの営業活動を行っていく」とコメントしている。
医薬品卸が取引先である調剤薬局と、連携強化などを目的に、資本参加する例が増加しているが、一つの調剤薬局企業に、複数の医薬品卸が出資するケースは稀だ。今回のケースは、薬局側が主要取引卸に対して出資を求め、各社がこれに対応したものと見られる。