
長谷川社長
武田薬品の長谷川閑史社長は20日、都内で開いた新春懇談会で、2月に新湘南研究所が完成することを踏まえ、「自社の研究開発から新薬を生み出す体制にはまだ時間がかかる」としながらも、「いい方向に進んでいる。ポジディブな思いを持って、いろいろなことをやっていきたい」と述べ、研究開発の生産性向上に取り組む考えを示した。また、開発パイプラインの状況について、「他社からの導入品だけを見ると、目標とする8~9割の確率で、製品化できるところに近づいてきている」との認識を語った。
長谷川氏は、「製薬業界全体がテクノロジーの端境期にあり、自社の研究開発で売上・利益を継続的に生み出せるデザインを描ききれていないが、いつまでもその状況に甘んじているわけにはいかない」とし、研究開発の生産性向上を課題に挙げた。その上で、「厳しい状況を迎えているが、他社からの導入品だけを見ると、8~9割の確率で製品化できるところまで近づいてきている」と導入品の状況については一定の評価を下した。
武田薬品は昨年10月、医薬研究本部長にポール・チャップマン氏を起用し、初めて研究開発のトップに外国人を据えた。さらに2月には、神奈川県藤沢市に湘南研究所が完成予定で、創薬研究の強化に取り組む方針を打ち出す。
長谷川氏は、新研究所について、「日本で最大・最効率な研究所になることは間違いない」と強調し、「日本人以外の研究者にも来ていただき、異なるバックグランドや考え方の中から、新たな創造性を生み出せるような研究拠点にしたい」と述べた。