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【田辺三菱製薬】注射剤の品質試験を一部実施せず出荷‐約200万本分を自主回収

2011年1月26日 (水)

謝罪する田辺三菱製薬幹部

謝罪する田辺三菱製薬幹部

 田辺三菱製薬は26日、子会社の田辺三菱製薬工場の足利工場で製造している注射剤で、品質試験を一部実施していなかったと発表した。これを受け、同社が製造販売する血管拡張薬「リプル注」など、3製品6品目の一部ロット約200万本分を自主回収すると共に、原因究明と再発防止に向けた「危機管理委員会」の設置を決めた。同社は昨年、メドウェイの試験データ改ざん問題で業務停止処分を受けたばかり。再発防止と信頼回復の途上で、再び不適切な問題が発覚した。

 足利工場で品質試験の一部不実施が発覚した品目は、「リプル」「パルクス」「リメタゾン」「パズクロス」の注射剤4品目。昨年10月の社内調査で、試験は実施されていたと判断されたが、試薬の購入実績等が合わないことなどに疑義が示され、改めて社外弁護士チームが調査を実施。足利工場の40代男性社員が、生データの残らない純度試験、不溶性微粒子試験を、一部実施していなかった事実を認め、発覚した。この社員は、2002年頃から4品目の品質試験を担当していたとされ、多くの業務量を抱えていたと見られる。

 田辺三菱も都内で開いた記者会見で、社内調査の甘さを認め、土屋裕弘社長は「メドウェイ問題の再発防止と、信頼回復の途上で起きた問題であり、極めて残念。今回の問題は、試験実施プロセスを、客観的な記録として残していなかったことが原因で、問題点の発見、改善が十分に浸透していなかったことを深く反省する」と謝罪。原因の徹底究明と、信頼回復に向けた再出発を、最優先課題に取り組む考えを示した。

 ただ、メドウェイ問題に続く不祥事発覚の事態を受け、自らの責任については、「まず、危機管理委員会の提言を実行し、信頼回復を図ることが責務」と述べ、進退に関する明言は避けた。

 なお、既に田辺三菱は、大正製薬から製造を委託されていた「パルクス」を除く3製品6品目について、参考保存品を用いた試験で品質と安全性を確認しているという。「パルクス」については、大正製薬が参考保存品を用いて品質試験を行い、製品品質に問題がないことを確認している。ただ、大正製薬では念のため、市場に流通している「パルクス注5μg、同10μg」の該当ロットを自主回収する。

足利工場に立ち入り調査‐厚労省

 今回の問題を受け、厚生労働省と栃木県は同日、足利工場に対して立ち入り調査を行った。医薬食品局監視指導・麻薬対策課は、「事実関係を確認し、その内容が薬事法に抵触する場合には、薬事法に基づく適切な対処をしていきたい」との考えを示している。

 監視指導・麻薬対策課によると、24日に田辺三菱製薬の関係者が同課を訪れ、社外の弁護士らが行った調査で、医薬品を出荷する際に行う試験を実施せずに、出荷していた可能性が指摘されたとの報告を受けたという。

 ただ、「われわれとしては、まだ何も確認しておらず、そもそも本当なのかというところから積み上げていく必要がある」とし、事実関係を確認するため、厚労省と栃木県が26日、子会社の足利工場に対して立ち入り調査を行ったことを明らかにし、調査結果などを踏まえ、薬事法違反に当たるかどうかを判断する考えを示した。

 立ち入り調査は、「基本的には都道府県に依頼するケースが多い」(厚労省)が、都道府県に情報を上げる前に、田辺三菱が厚労省に報告したこともあり、厚労省と栃木県が一緒に立ち入り調査を行うことになったと見られる。




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