政府の行政刷新会議規制・制度改革に関する分科会は26日、菅内閣が3月閣議決定を目指す、今年度第2弾の規制改革について、提案項目を決定した。一般薬の販売規制については、離島居住者や継続購入者に対する経過措置が切れる5月までに、インターネット販売ルールを制定することや、薬剤師がリアルタイムに情報提供できる体制の確保を条件に、薬剤師や登録販売者の常駐義務を撤廃する方針を明記した。次期診療報酬改定で調剤基本料を24点に一元化する考えも盛り込んだ。
医療・介護などライフイノベーション分野の提案としては、合計38項目を並べた。
厚生労働省や薬剤師業界から緩和への反発が強い「一般薬販売規制」をめぐっては、販売履歴の管理、購入量の制限など、一定の安全性を確保しながら、ネット販売を解禁する考えを示した。さらに、テレビ電話やFAXを使い、薬剤師が情報提供すれば、利用者に対面で説明しなくても済む仕組みへ、店舗販売のルールを見直すよう求めている。
理由は、薬剤師ら有資格者の常駐に必要な人件費コストが過大なために、「事実上医薬品の販売は、従来の業者に限られ、消費者の購買の機会を妨げている」というものだ。
調剤基本料については、原則40点としながら、処方せん受け付けが4000回を超え、特定の医療機関からの集中率が70%超の薬局を例外的に24点とする仕組みを、「患者にとって質的な差は認められない」と指摘。前回改定で、病院・診療所の再診料を統一したように、調剤基本料を一律24点に統一すべきとした。
このほか、医療機関の広告規制の緩和も提案した。広告可能なものを規定するポジティブリスト方式を、来年度中に原則自由化することや、医薬品や医療機器に関する情報提供ルールである「医薬品等適正広告基準」の改正を求めている。
また、高額療養費を見直し、疾患の種類にかかわらず、療養が長期にわたる場合に、自己負担を通常より軽減することも明記し、月額上限の基準として1~2万円を例示した。医薬品・医療機器について、薬事審査業務の法的責任の明確化や、イノベーションの適切な評価の方向性を示した。
昨年12月のワーキンググループ最終会合で結論を保留したDPC制度については、ICDコーディングを改善し、病名マスターを編集することとなった。
今後、各省協議を行い、2月上旬に始まる政務レベル折衝、3月上旬の規制仕分けを経て、最終的な対処方針が決まる。