TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【OTC薬協/三輪会長】保健医療政策にセルフM連携‐新たな仕組み導入を提案

2011年01月28日 (金)
三輪会長

三輪会長

 日本OTC医薬品協会は24日に都内で会見し、今年の取り組みなどについて方針を示した。三輪芳弘会長は、2010年度のOTC医薬品市場が、「マイナス成長の予想される厳しい状況にある」とした上で、OTC薬協として、▽OTC薬市場の活性化▽OTC薬の役割を広く生活者にアピールする広報活動▽アジア太平洋地域におけるセルフメディケーション推進活動--を、重点に掲げて活動していくことを強調。「今年も、自分の健康は自分で守るセルフメディケーションを一層推進し、OTC医薬品業界の発展に努めていく」と抱負を語った。

 OTC薬協では、これまでもセルフメディケーションの普及・推進に取り組んできたが、今年はより一層拍車をかけたいとしている。三輪会長は、高齢社会が加速して、現行の社会保障制度への不安が高まっているとし、「今後、国民医療費が大幅に増加することが予測され、今の医療保険制度を存続させようとすると、保険料、窓口負担の値上げと共に、膨大な公的負担が必要となることは明らかだ」と指摘。「これを時代の変化に合わせて柔軟に対応できるようにするため、これまで公的医療制度の外に置かれてきたセルフメディケーションを活用したい」と、セルフメディケーションと公的制度を連動させる新たな仕組みの導入を提案した。

 具体的には、「全てのOTC薬を対象とする新たな医療費控除の創設や、スイッチOTC化の加速など、思い切った政策の実施が必要」とした。その上で、「現行の医療制度の延長線上で今の制度を守るのではなく、時代の変化に対応して新しい風を吹き込み、国家戦略として、国民一人ひとりが自分の健康管理に積極的に取り組める、思い切った政策を実施することが、皆保険制度を存続させると痛感している」との考えを示した。

 政府に対しては、「国の保健医療政策にセルフメディケーションを連携させて、国民の保健医療政策を進めることを検討していただきたい」と要請。その具体策の一つとなるスイッチOTC化の現状については、「新販売制度の施行で基盤が整ったにもかかわらず、承認スピードも範囲拡大も期待はずれで、もどかしい思いを抱いている」と話した。

 また、アジア太平洋地域におけるセルフメディケーション推進についても、昨年11月に発足した「アジア太平洋セルフメディケーション協会」(APSMI)を通して、取り組んでいくことにしている。アジア太平洋地域は経済発展が著しく、OTC薬市場も北米や欧州に匹敵するような市場へ成長しつつある。

 ただ、アジア各国で医薬品の規制や流通も異なるため、画一的な方法では対応が難しく、課題も多い。そのため、OTC薬協副会長でAPSMI会長の佐藤誠一氏は、「各国におけるOTC薬やセルフメディケーションに関する課題、ニーズを調査収集する作業からスタートした」とし、「各国に共通する課題について優先順位をつけて、5月の理事会において、APSMIとして取り上げるべきテーマを決定し、プロジェクトとしてスタートさせたいと考えている」とした。

 APSMIでは、5月に第1回理事会、来年には第1回総会の開催を予定している。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術