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【農水省】スギ花粉症緩和米を開発へ‐来年度から動物実験に着手

2011年2月7日 (月)

 農林水産省は、遺伝子組み換え技術を応用した、スギ花粉症緩和米を医薬品として開発するため、来年度からラットやサルなどを用いた動物実験を本格化する。既に今年度から、5カ年計画で研究に着手しており、事業が終了する2014年度までに、ヒトでの安全性と有効性の評価を終え、実用化に向けて製薬企業にも協力を求めていく。医薬品の承認に必要な実験や、審査を着実にクリアするため、医薬品医療機器総合機構(PMDA)とも相談しながら、試験デザインなどを検討しているという。スギ花粉症以外にも、気管支喘息や食物アレルギー、関節リウマチなど、自己免疫疾患の症状を緩和する米の開発に向けた研究も進めており、いずれも、最短で20年度の実用化を目指している。

医薬品での申請目指す

 スギ花粉症緩和米は、遺伝子組み換えにより、花粉症を引き起こす原因となる蛋白質をコメ白米部分に作り出し、それを食事として少しずつ摂取し、花粉への反応を下げていくというもの。

 アレルギー物質を繰り返し体内に取り込むことによって、症状を緩和する「減感作療法」と同じような仕組みだ。減感作療法には、舌下に花粉の抗原エキスを滴下する方法や、抗原を皮下注射する方法などがあるが、スギ花粉症緩和米は、食事として少しずつ摂取すればよく、負担が軽くなるとされている。

 農水省では、新たな産業や市場の創出を目指し、農林水産物、副産物を原料とした医薬品の開発を進めていた。同事業は、「アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクト」として、今年度は約5億5000万円、来年度は6億0500万円の予算を計上している。実施機関は、つくば市の農業生物資源研究所。

 既に、一部の動物実験はスタートしているが、安全性、有効性に関する評価に本格的に取り組むのは来年度からだという。

 ただ、身体を徐々に抗原に慣れさせ、反応を抑えていく減感作療法は、治療そのものが長期にわたるため、安全性や有効性の評価も、それなりに時間がかかる。さらに、遺伝子組み換え米を摂取するに当たっての安全性も担保する必要があり、反復投与による毒性試験が、徹底的に行われる見込みだ。

 農水省は、14年度までにヒトでの臨床試験にこぎ着け、実用化に向けて民間に渡せるよう、知見を集積することを目指したいとしている。

 プロジェクトでは、こうした経口免疫寛容のコンセプトを用いて、気管支喘息や食物アレルギー、関節リウマチや炎症性腸疾患など、自己免疫疾患の症状を緩和する米の開発も進めている。

 東京都臨床医学総合研究所が中心となって、動物を用いた評価試験の準備を進めており、14年度までにある程度の知見を得て、民間に渡すことを目指している。




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