市場調査会社の富士経済は、2013年の国内ジェネリック医薬品(GE薬)市場が、4889億円に拡大するとの予測結果をまとめた。DPC病院の増加、後発品調剤体制加算を追い風に、GE薬市場は09年比23・4%増と大幅に拡大する一方、薬価引き下げを受けた長期収載品市場は、同1・9%増と横ばいに推移すると予測した。
調査結果は、GE薬市場と長期収載品市場を薬効別に分析した「2011ジェネリック医薬品・長期収載品データブック」にまとめた。
09年のGE薬市場は、前年比9・8%増の3962億円となった。同社は、「DPC導入病院の増加、後発品調剤体制加算等によって、今後も市場が拡大すると見られる」として、13年には09年比23・4%増の4889億円、医療用医薬品市場の6・4%を占めるまでに伸長すると予測した。
特に、最近は大手GE薬メーカーの重点品目が、注射剤から経口剤にシフトしつつあると指摘。DPC病院で拡大する循環器官用剤、脂質異常症治療剤、糖尿病治療剤など、患者数の多い生活習慣病向け経口剤の実績が高まると分析した。
また、09年の長期収載品市場は、2兆5791億円、医療用医薬品市場の構成比は37・3%となった。同社は、「今後の特許切れによって、長期収載品の品目数は増加するものの、薬価改定やGE薬へのシフトが進む」として、13年の市場規模は1・9%増の2兆6292億円と横ばいに推移すると予測した。
注目市場を見ると、降圧剤は、カルシウム拮抗薬のアムロジピンの存在感が増している中、大型製品の特許切れが続き、GE薬への切り替え需要が高まっていると指摘。13年には09年比41・1%増の460億円に拡大すると予測した。
脂質異常症治療剤は、調剤薬局でGE薬への切り替えターゲットとされ、市場浸透が進んでいるとし、13年には27・1%増の263億円を予測した。一方、長期収載品市場の6割を占める「メバロチン」「エパデール」「リポバス」の上位3品目については、特に「エパデール」は安定供給の観点から先発品が選ばれるケースが多く、実績が堅調に推移していると分析した。
一方、抗癌剤、癌疼痛治療剤、制吐剤の癌関連用剤は、薬価の高い分子標的薬剤の発売を受け、抗癌剤における位置づけが高まっていると分析。GE薬も日本化薬に加え、ヤクルトや大鵬薬品が参入し、実績を上げているとし、13年には抗癌剤GE薬市場は52・9%増の370億円に大幅に拡大すると予測した。