ツルハホールディングスは、16日に都内で開いた11年5月期第3四半期決算説明会で、今回の東日本大震災により、当日時点で営業を行っていない店舗が92店舗に及び、「全社を挙げて復旧に向け、可能な限り被災地の店舗での対応に努めているところ」(大船正博取締役常務執行役員管理本部長)とした。その上で、今期業績については「現在までの数字(速報値)では、全店で13・2%増、既存店で8・1%増となっており、東北6県トータルの数字も前年を大きく上回っている。地震により大きな損害を被ったが、現時点では当初の通期目標は達成できるのでは」との見通しを明らかにした。
北海道・東北を中心に、第3四半期末でグループ直営店舗数940店舗を有するツルハホールディングス。このうち298店舗の東北エリアでは、92店舗が営業停止に至っているという(16日現在の状況)
内訳は、壊滅・水没などで使用できない店舗が6、自力修復が難しい(業者による修理が必要)店舗が55、立ち入ることができずに状況が把握できない店舗が5の計66店舗が、被災を受けた。さらには、原子力発電所の事故により、安全面等から26店舗が避難したことで、計92店舗が営業を行っていないことになる。また、東北6県で5000人近い社員(正社員・パート含む)がいるが、現時点で社員本人が死亡した報告はないという。
物流面に関しては、東北地区の拠点である仙台物流センター(宮城県黒川郡大衡村)が壊滅状態で、機能しなくなったものの、他の物流拠点から供給が行われている。一方で、緊急物資をはじめ、商品は潤沢に集まってはいるものの、ガソリン不足等から届きにくい状況も見られた。被害の大きかった宮城、福島にも商品が届き始めているようで、徐々に回復に向かいつつある状況。
大船常務は、被災状況報告の中で「それぞれの店舗では、医薬品や食品、生活必需品を求めにくる地域住民に対し、社員がそれこそ寝食を削ってまで可能な限り対応を続けている。ツルハグループの基本理念である“親切・信用を第一に、全てはお客様のために”を念頭に、社会的責任を果たす努力を続けている。一刻も早く通常の営業に戻れるよう、今後も社員一丸となって対応していく」と述べた。