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【東日本大震災】製薬各社で復旧の兆し‐被災工場の操業再開相次ぐ

2011年04月07日 (木)

 東日本大震災で被害を受けた製薬各社の製造設備に復旧の見通しが立ってきた。6日には、アステラス製薬の製造子会社西根工場(岩手県)が全面的に操業を再開。塩野義製薬の金ケ崎工場(岩手県)も、11日から順次操業を再開する。一部操業を再開していたツムラの茨城工場も、5月上旬には漢方製剤のほぼ全製造工程で操業を再開できる見通しだ。中外製薬の製造子会社宇都宮工場は、既に包装・出荷を再開しているものの、被害が大きいことから、復旧は9月になる見込み。

 アステラス製薬は、被災した製造子会社「アステラス・ファーマ・テック」の西根工場(岩手県八幡平市)で一部製品の出荷を開始していたが、6日から全面的に操業を再開した。同工場では、排尿障害治療薬「ハルナール」、高脂血症治療薬「リピトール」などの製剤、包装を行っている。なお、高萩工場(茨城県高萩市)は引き続き操業停止、合成技術研究所(同)の研究業務もストップしている状況にある。

 中外製薬は、製造子会社「中外製薬工業」の宇都宮工場の被害状況を公表した。建物は品質管理棟・倉庫棟など3棟が甚大な被害を受け、製剤・包装設備の一部に損傷が見られたほか、一部の仕掛品や製品在庫にも破損が確認された。被害額は約90億円と見込んでいる。既に宇都宮工場では、3月16日から一部製品の包装・出荷機能については操業を再開しており、その他機能も準備が整い次第、順次操業を再開する予定。9月にはほぼ復旧する見通し。

 塩野義製薬は、全面的に操業を中止していた金ケ崎工場(岩手県金ケ崎町)での生産を、11日から順次再開する。金ヶ崎工場では、抗生物質製剤や癌疼痛治療薬などを生産している。現時点で製品の供給に影響はないとしている。

 ツムラは、茨城工場(茨城県稲敷郡)で一部を除き操業を停止していたが、4日から包装工程など製造工程の一部操業を再開した。さらに4月中旬に造粒工程の操業を再開し、5月上旬をメドに、漢方製剤のほぼ全製造工程で順次操業を再開する見通し。また、原料生薬の輸入や加工調整、出荷などを担う石岡センターも、順次操業を再開しており、4月中旬をメドに全機能の操業を再開する予定。

 製品供給に関しても、4日から包装工程の操業を再開。工場内にある中間製品の最終製品化を行い、順次出荷する。茨城工場で製造している漢方製剤の一部品目も、既に静岡工場で製造を開始しており、5日から出荷を開始した。



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