アステラス製薬は25日、新社長に畑中好彦上席執行役員が昇格するトップ人事を発表した。野木森雅郁社長は、代表権のある会長に就任し、竹中登一会長は退任する。6月20日に開催予定の株主総会後、取締役会で正式に決定する。
同日夜、都内で記者会見した野木森氏は、社長交代の背景について、「アステラス製薬の発足から6年が経過し、主力品の特許切れで後発品攻勢が現実化したが、だいたい方向性が読めるようになってきた。また、グローバル体制やパイプライン強化に布石を打ち、今年から成長戦略の新しいステップに入っていける右肩上がりの姿が見えてきたため、この段階で若い世代の新社長にお願いしようと考えた」と説明。畑中氏を選んだ理由については、「国内でMRの経験があり、経営企画や国際事業を幅広く経験し、人柄とバランス感覚にも優れている」と高く評価した。
新社長に就任する畑中氏は、「これまで経営企画部長などを経験し、中期経営計画の策定や様々なアライアンスに関与して、社長を補佐してきたので、アステラスの目指す方向性は共有している。今後、研究開発投資が最大のチャレンジとなるが、グローバル・カテゴリー・リーダーで戦っていく姿に迷いはない。アステラスのグローバル価値をさらに上げていくことが使命」と決意を語った。
畑中氏は、1957年生まれの54歳。80年3月に一橋大学経済学部卒業後、旧藤沢薬品に入社。2005年6月にアステラス製薬執行役員経営企画部長に就任。上席執行役員アステラスファーマUS社長兼CEOを経て、09年4月から上席執行役員経営戦略・財務担当を務めていた。