TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

異例の早期薬価収載‐震災対応など5成分7品目

2011年05月23日 (月)

 厚生労働省は20日、東日本大震災による医薬品の製造不足を補うため、緊急輸入品の規格追加や類似薬への代替に伴う処方変更など、4成分6品目を薬価基準に早期承認した。また、田辺三菱製薬の「メインテート」(一般名:フマル酸ビソプロロール)について、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を通じて慢性心不全の適応追加が公知承認されたことを受け、初回投与用の0・625mg製剤の規格追加も同日付で収載した。

 災害対応で薬価収載を早期化するのは異例。メーカーと同省医政局経済課が相談して、安定供給を維持するために必要と判断した。本来なら後発品の定期収載(震災を考慮して通常より1カ月遅い6月に予定)に合わせて収載することになるが、1カ月前倒した。薬事も迅速審査で承認を急いだ。

震災対応品目

 ▽セベラマー塩酸塩錠400mg「G」同800mg「G」(中外製薬)=塩酸セベラマーを有効成分とするリン吸着剤。生産委託先の工場が被災してレナジェル錠250mgが供給困難になったため、ジェンザイムから緊急輸入した別規格を一般名で追加した。薬価は規格間調整で400mgが39・00円、800mgが57・30円。

 ▽ツインラインNF配合経腸用液(イーエヌ大塚製薬)=経腸成分栄養剤(消化態)で、“NF”は「new―formula(新規格)」の略。アボットジャパンと明治が販売するエンシュア・リキッド、エンシュア・Hの缶入り製剤が、容器工場の被災で供給が逼迫したことを受けた代替品。既存品はビタミンKを多く含み、ワルファリンの作用を減弱することがある。そのため、ワルファリン投与患者でも使いやすいよう、ビタミンKを減量した製剤へ処方変更した。薬価は既存製剤と同じ9・60円。

 ▽ラコールNF配合経腸用液(イーエヌ大塚製薬)=経腸成分栄養剤(半消化態)。ツインラインと同様の処方変更。薬価は既存製剤と同じ9・10円。

 ▽ハーセプチン注射用60同150(中外製薬)=トラスツズマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする抗癌剤。ブドウ糖液で希釈すると濁るため、既存品には希釈液として生理食塩水250mgを添付していた。今回は、希釈方法が定着していることを踏まえ、被災による製造ラインの移転に伴って、生産工程や冷所保存スペースを効率化した生食を付けない規格を追加した。薬価は既存品から生食分を差し引き、60mgが2万3885円、150mgが5万6003円。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術