大洋薬品工業の島田誠社長は3日、名古屋市内で開いた決算説明会で、テバファーマシューティカル・インダストリーズ(テバ社)との戦略的資本提携に言及。「7月上旬から各事業部ごとの事業統合シナジーを検討し、1カ月以内にプランニングを終え、10月上旬に具体的な発表を行う」との方針を明らかにした。その上で、「売上規模、ブランドプレゼンスにおいて、国内ジェネリック医薬品(GE薬)市場でリーディングカンパニーになることが最大のテーマ」と強調した。
島田氏は、テバとの戦略提携を受け、現会長の新谷重樹氏が14日の株主総会で現経営体制から退任すると表明。当面の経営方針は、品質確保の取り組みとして、自主点検の機能整備、GMPの国際基準化対応を進める。また、2015年の売上高1000億円達成に向け、現在の高山・春日部両工場を合わせ、14年までに固形剤60億錠の生産体制に向けた設備投資を行う。受託事業については撤退せず、さらなる価値作りの中でコア事業として進めていく。
10月に発表予定の新中期経営計画では、テバとの統合シナジーを加味し、「大洋薬品単体で掲げる売上高1000億円は、1年前倒しで14年には達成できる」との見通しを示した。さらに「売上高1000億円は通過点。その後はパイ取りゲームという考え方がある。市場シェア10%を獲得できる製品ポートフォリオや営業体制の強化、海外市場への進出なども含めて、何年か先には明確な部分を出していきたい」との展望を示した。