日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の宗像守事務総長は都内で記者会見し、「会員会社の改正薬事法遵守率100%を、今年度中に達成するための活動を進めていく」と強調した。具体的には、JACDS協会報を通じて守るべき点を再チェックさせることや、研修の徹底などを図ることにしている。
改正薬事法の経過措置は来年5月31日で終わるが、宗像氏は「これまでの2年間は比較的緩やかな運用で、改正薬事法に関連した行政処分等はほとんどなかった」と振り返った。しかし、「各地を視察した印象では、前回の覆面調査ではドラッグストアは比較的良い結果だったが、今度は良い数字が出ないような、全体的な気の緩みを感じる」と評価。具体例として、第1類医薬品の陳列や販売方法に問題がある点を指摘した。
そのため、宗像氏は「今後1年間は、気を引き締める活動に力を入れる」とし、JACDSの協会報で守るべき項目を再チェックさせ、来年6月には遵守率100%にもっていく考えを示した。
研修については、「今後1年間は、改正薬事法遵守や登録販売者の研修への、行政の目が厳しくなることも予想されるので、われわれとしては先んじて取り組んでいく」と強調。「研修の徹底に力を入れ、登録販売者に必ず継続研修を受けさせる」とした。
さらに宗像氏は、ネット販売や漢方のあり方について、有識者や専門家、関係者などをメンバーにして、検討を行う民間検討会を設置する考えも明らかにした。現在は関係団体等に対して検討会設置前のヒアリングを行っている段階だとし、「9月中に検討会を設置し、今年中に意見や考えなどをまとめ、厚生労働省へ提出する」と話した。