矢野経済研究所はこのほど、国内の理美容サロン市場を調査し、市場規模、都道府県別や施術別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。それによると、2024年度の理美容サロン市場は前年度比1.5%増の2兆1240億円だった。4年連続の伸長となるも、理美容ともに施術料金改定が寄与した。
主な調査結果によると、24年度の理美容サロン市場については、事業者売上高ベースで2兆1240億円(前年度比101.5%)と推計。24年度の同市場は、23年度に続き参入企業の業績回復傾向が強く、改めてコロナ禍から平時と変わらない環境へと移行した印象が強かった。
同調査でヒアリング対象となる大手企業、有力企業の多くでは業績が伸長。背景としては、多くの理美容サロン、事業者において施術料金改定が実施され、料金改定の業績への寄与が大きかった。料金改定については、来店客数や来店頻度への影響が心配されたものの、理美容サロンによって多少異なる状況はあるが、料金改定前に比べて大きく見劣りするような状況にはなかった。
物価上昇は依然として続いているが、理美容サロンの料金改定は概ね来店客にとって許容範囲と受け止められたものと推察。一方で、低所得層や中間所得層においては生活防衛意識が強く、理美容施術への支出に関する状況は許容範囲とそれ以外に二分されていくものと考えられている。
25年度の理美容サロン市場に関しては前年度比100.1%の2兆1260億円と予測。その内訳は理容サロン市場が5953億円(前年度比100.1%)、美容サロン市場が1兆5307億円(同100.1%9となっている。25年度には施術料金改定による効果は概ね落ち着く見込みで、市場は集客力と客単価のアップの力による、理美容サロンや企業間の差異が一層顕在化すると考えられている。その一方で、原材料や輸送費などの高騰や人材を確保するための費用上昇が続くことになれば、料金改定を再度実施するための検討の必要性も指摘している。
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