薬価引き下げが影響
厚生労働省は23日、2010年「社会医療診療行為別調査結果」を公表した。薬局調剤と医科点数を合算して求めた薬剤料の比率は、前年より0・2ポイント減少の33・0%だった。厚労省は、昨年4月の診療報酬改定で薬価が引き下げられたことが影響したと分析している。後発品使用状況については、薬剤種類数に占める割合が3ポイント近く増加し、23・5%となった。厚労省によると、統計を取り始めた05年以来、過去最高の数値、伸び率を示したという。「後発医薬品調剤体制加算」など、診療報酬改定で後発品の使用促進策が講じられたことが増加の要因の一つになったと見ている。
調査は、10年6月審査分のレセプトを対象に行ったもの。
薬剤料比率の内訳は、入院が9・7%、入院外が39・4%で、ともに前年より1ポイント程度減少した。
薬剤点数の構成は、院内・院外ともに500点未満が最も多く、比率は院内処方が67・1%、院外処方が59・3%だった。年齢階級別では、年齢が高くなるほど高点数薬剤が多くなる傾向があった。
薬価の構成も院内・院外ともに「250円未満」が最も多く、比率は院内処方が78・8%、院外処方が76・3%だった。また、年齢階級別では院内・院外ともに「15~39歳」を除き、「250円未満」が約8割だった。
処方された薬剤種類の構成は、院内・院外とも1種類、2種類が20%程度と多い。レセプト1件当たりの種類数は、院内が3・67種類、院外が3・95種類だった。年齢階層別では、年齢が高くなるほど7種類以上の割合が高い。
後発品の数量ベースは、23・5%。08年、09年はほぼ横ばいで推移したのに対し、10年は2・8ポイント増加した。
薬剤点数に占める後発品の点数の割合を見ると、入院が前年より0・4ポイント増の7・1%、院内処方は1・0ポイント増の11・4%、院外処方は1・5ポイント増の7・9%となっている。
また、薬剤種類数に占める後発品の種類数の割合は、入院が1・6ポイント増の20・9%、院内処方が2・2ポイント増の28・2%、院外処方が3・3ポイント増の21・6%だった。
医科入院外における院外処方率は、総数で0・8ポイント増の62・8%。医薬分業の進展に伴い、院外処方率がわずかに増加している。