民主党「一般用医薬品の通信販売解禁を推進する議員連盟」は28日、一般用医薬品の通信販売を第3類以外にも拡大するよう提言する意見書を取りまとめた。「政府は必要な安全対策を含めて通信販売をルール化すべき」「一刻も早い具体的制度設計に向けた明確な工程表の策定が必要」とし、菅首相、関係閣僚、党政策調査会へ対応を求めている。
議連には、馬淵澄夫前首相補佐官や園田康博内閣府規制改革担当政務官ら、衆参60人が所属する。田村謙治事務局長は、「もちろん安全性は大事だが、そもそも、ネットでの医薬品販売で被害を受けた事例はほとんどない。まさに過剰な規制。極めて時代錯誤」と指摘する。
意見書は、規制緩和に期待する声が、視覚障害者から出ていることなどを踏まえ、「通信販売を購入手段として頼りにしてきた方々にとっては、経過措置を除き、購入の道を合理的な理由もなく絶たれており、健康維持の面で座視できない喫緊の問題」としている。eビジネス推進連合会、インターネットユーザー協会、日本オンラインドラッグ協会の3団体が、通信販売解禁に賛同する署名を150万人以上集めたことも論拠に挙げた。
また、対面販売でなければ安全性を確保できないとするデータを、厚生労働省が持っていないことから、「通信販売を一律に規制する合理性はない」と断じた。
リスク区分の見直しでは影響が一部にとどまるため、「抜本的な対策にはならない」とし、全ての一般薬を対象とした通信販売のルール化を要求している。
この日の総会では、阿曽沼元博氏(行政刷新会議規制・制度改革分科会ライフイイノベーションワーキンググループ委員)が講演し、「(有害事業の可能性を規制の理由にするなら)日本薬剤師会はそもそも、店舗販売や対面販売での安全性の立証や、リスク調査・研究・分析を徹底にやるべき」と主張。何らかの問題が起こることを前提に、被害を最小化する考え方で制度設計すれば、「インターネット販売でも店舗販売と遜色ない運用が可能」とした。