伊藤忠商事(大阪市中央区)と富士バイオメディックス(東京都中央区)は、調剤薬局事業及び健康食品事業での業務提携を発表した。総合商社の伊藤忠は推進中の中期経営計画で、消費者ビジネスの一層の強化と「ライフ&ヒューマンケア」分野への事業創出に注力しており、富士バイオは非臨床試験から臨床試験までの一貫体制による医薬品・健康食品開発のトータルサポートを核に、調剤薬局51店舗の運営、子会社を通じた健康食品販売などを手がけている。今回の業務提携は、両社の中期的戦略においてそれぞれが保有するノウハウ、ネットワーク等の経営資源が極めて相互補完的であることから、パートナーシップを強化して企業価値向上を図るのが狙い。
主な業務提携内容は、伊藤忠グループの事業ポートフォリオ及び国内外のネットワークと、富士バイオの調剤薬局経営に関するノウハウ・人材・ネットワーク及び健康食品の百貨店販売チャネル(全国61店舗)等を組み合わせることで、既存事業のさらなる拡張と新たな事業領域の創造という二つの分野で共同取り組みを推進していく。
共同での取り組みとしては、調剤薬局分野における新業態開発、健康食品のPB商品や百貨店における新たな店舗開発の支援など、総合的なヘルスケアサポート実現に向けた検討を行っていく。また物流体制の再構築によるコスト削減についても協議を進めていく。
富士バイオでは、調剤薬局事業で早期に100店舗の達成、また健康食品事業に関しても子会社の森谷健康食品を通じて積極的な事業拡大を図っていく意向であり、今回の業務提携について「調剤薬局事業における新業態開発も視野に入れたもので、調剤薬局事業の飛躍的な成長につながるものと位置づける」としている。