
合弁契約調印で握手交わす3社
グローウェルホールディングスは、中国でのドラッグストア事業展開に向けて、上海の聯華超市股(イ+分)有限公司、上海毎日通販商業有限公司と、17日に合弁契約を締結した。グローウェルHDでは11月に、合弁会社「聯華毎日鈴(上海)商業有限公司」設立する予定で、12月末までには第1号店を上海にオープンさせる方針。今後、上海を中心に中国で合弁事業による店舗展開を図り、海外での出店・商品供給ノウハウなどを蓄えた上で、アジアでの積極展開も視野に入れている。5年後には売上高110億円、営業利益3・5億円、店舗数48店舗という目標をクリアし、上場を目指す考えだ。
日本のドラッグストア市場の成長が鈍化している中、グローウェルHDでは、中国をはじめ東南アジア諸国のドラッグストア市場は、大きな伸びが期待できると判断。合弁事業による進出を検討していた。特に中国市場は、化粧品市場が急速に伸びているほか、小規模薬局・薬店が乱立し、アジア最大のドラッグストアチェーンとされるワトソンズの一人舞台という市場環境が見られていることから、事業の成長が期待できるとしている。
合弁会社「聯華毎日鈴(上海)商業有限公司」は、上海市に11月に設立する予定で、董事長には聯華超市の華国平氏、副董事長には上海毎日通販の宣俊松氏とグローウェルHDの高田隆右氏、董事兼総経理にはグローウェルHDの松本忠久氏が就任する。
ドラッグストア第1号店を12月末までに上海に出店し、その後は、長江デルタ地域に店舗展開していく計画だ。スタート当初の店舗展開は上海中心で、100坪前後の店舗を出店し、ノウハウを築き上げ、将来的にはグローウェルHDが得意としている150坪スタイルでの出店も考えている。
具体的な事業計画としては、▽1年目:売上高9億円、営業利益マイナス8000万円、店舗数8▽3年目:売上高55億円、営業利益200万円、店舗数28▽5年目:売上高110億円、営業利益3億5000万円、店舗数48‐‐を掲げている。合弁会社の総経理に就任する松本氏は、「最低でもこのラインはクリアし、5年後には上場を目指す」と強調した。
取り扱う商品は、日本の医薬品は中国での許可が厳しいことから、スタート当初は医薬品は取り扱わず、バラエティショップに近い形の商品構成で、化粧品と化粧雑貨が50%以上になる見込だ。今後、日本の医薬品についての許可規制が緩和された時には、素早く対応したいとしている。
ワトソンズとの差別化では、「日本の商品、ワトソンズが扱っていない商品をいかに持ち込めるかだ」とし、「ワトソンズより値段は若干高くても日本の良いものを取り入れていきたい」(高田氏)と話した。従業員教育についても、「日本式の教育を取り入れ、幅広い知識を持って販売ができる人材を育成することで、差別化を図りたい」と強調した。