武田薬品は、2型糖尿病治療薬「TAK‐875」の国内第III相試験を開始した。2014年の国内承認申請、15年の承認取得を目指す。
「TAK‐875」は、武田薬品のG蛋白質共役型受容体(GPCR)研究から創製されたGPR40の作動薬。既存のSU剤と違い、GPCRの一つであるGPR40に作用し、グルコース濃度に依存してインスリン分泌を促すため、低血糖リスクが少ないと考えられている。
GPR40は、リガンドが未同定のオーファン受容体だったが、武田の研究陣が長鎖脂肪酸の受容体として機能していることを突き止めた。長鎖の脂肪酸はインスリン分泌促進に働いていることから、GPR40を活性化するという新規の作用が期待されている。
3本の国内第III相試験のうち、「TAK‐875」の多施設共同二重盲検比較試験では、食事療法・運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、「TAK‐875」投与群とプラセボ群で有効性と安全性を検討する。