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【小児薬物療法】乏しい小児データ‐「少量投与」が常態化

2007年3月13日 (火)

 小児での標準的な用法・用量が明記されていない医薬品を使う場合、体重当たり用量よりも低い「少量使用」が日常的に行われている実態が、国立成育医療センター薬剤部の櫛田賢次氏らの調査で明らかになった。経済的な理由などで小児への適応申請がなされない医薬品は依然として多く、小児薬物療法では適応外使用が日常的に行われている。調査では、小児適応が得られている薬剤についても、「少量使用」が常態化していることから、適応外使用などではさらなる改善が求められる結果となった。

 実態調査は、平成18年度厚生労働科学研究「小児薬物療法におけるデータネットワークの実用性と応用可能性における研究」の分担研究として行われたもの。同センターの薬歴データから処方実績の多い薬剤を選び、ネットワーク参加施設で投与量を調査した。

 エリスロシンドライシロップの年齢別投与量の分布をみたところ、添付文書に記載された投与量は1日体重当たり25050mgであるものの、実際に使った量は下限量より少ないことが分かった。エリスロシンは長期投与の安全性が確立されているため、呼吸器科、アレルギー科、耳鼻科で小児に少量のエリスロシンドライシロップを長期投与している処方実態が浮かび上がった。

 スルファメトキサゾール・トリメトプリムの投与量は、一般感染症で1日6012mg/kg、尿路感染予防では1日203mg/kgとされているが、実際の投与量は尿路感染予防の下限量に近く、スルファメトキサゾール・トリメトプリムは、小児の感染予防に使われていることが考えられた。

 アスピリンは、解熱作用を目的に高用量で使われることが多い。しかし、小児に対しては、抗血小板作用を目的に少量投与が行われており、アスピリンの投与目的が明らかに違うことが分かった。

 また、リスペリドンは、投与量上限から下限まで幅広く使われていた。これは、医師が患者の反応を見ながら、投与量の幅を広く持たせて投与していることが考えられた。特徴的なのは、フロセミドの投与方法で、下限量の1mg/kgよりも少ない用量から投与を開始していた。

 一方、モンテルカストチュアブル錠は、小児の用法が記載されており、粉砕等の必要がないことから、ほとんど市販の5mg錠が投与されていることが分かった。このように、小児の用法が添付文書に記載されている場合は、安全な薬物療法が行われることを示した結果となった。

 ところが、ほとんどの添付文書には、小児の用法・用量記載がないのが現状。櫛田氏らの調査から分かったことは、現場の医師が試行錯誤の中で少量使用を日常的に行っている実態だ。小児に安全で安心な薬物療法を行うためには、適応外使用のさらなる改善が求められている。




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