中央社会保険医療協議会は7日、「これまでの本協議会の議論を踏まえ、予算編成に当たって、改定率の設定に関し適切な対応を求める」とする2012年度診療報酬改定に関する意見書をまとめ、小宮山厚生労働相に提出した。改定率の方向性は示さず、「医療費全体の引き上げは、とうてい国民の理解が得られず、財源を効率的かつ効果的に配分すべき」とする支払側と、「診療報酬の引き上げによる医療費全体での底上げを行うべき」とする診療側で、見解が分かれることを伝えるにとどめた。
意見書は、医療の現状を「極めて厳しい状況」と表現し、「安心・安全で質の高い医療を受けられる環境を整えていくことは重要な課題」と指摘。中医協の姿勢として、「地域の医療提供体制を確保するなど、国民皆が質の高い医療を受け続けるための取り組みを真摯に進める。こうした基本認識については、支払側と診療側の意見で一致を見た」と報告した。
また、行政刷新会議の政策仕分け結果などにも言及し、中医協が法定の審議会であることを強調した上で、その独自性を主張した。
さらに、診療報酬だけで医療の問題を解決できないことも指摘し、「幅広い医療政策が講じられることが必要であり、この点についても十分な配慮が行われるよう望む」と進言した。