厚生労働省医政局は、来年度に選定する臨床研究中核病院5カ所のうち、1カ所を東日本大震災の被災地域に整備する。革新的な医薬品や医療機器の開発拠点を形成し、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を果たすほかに、産業集積や新たな産業創出を通じて復興にもつなげることが狙いだ。
厚労省は9月の来年度予算概算要求の日本再生重点化措置枠に、51億円をかけて臨床研究中核病院を10カ所整備する計画を盛り込んだが、財務省は重点化措置枠での対応を4カ所分の20億円に縮小し、被災地に整備する1カ所分の5億円を復旧・復興対策経費として復興庁計上に振り向けた。
政府は臨床研究中核病院を2013年度までに15カ所程度整備する方針で、今年度には「早期・探索的臨床試験拠点」として5カ所に着手しており、来年度から5年を想定して新たに整備する5カ所と合わせて、10カ所のメドがつくことになる。