大正製薬は、発毛剤「リアップ」シリーズの新製品として、発毛成分ミノキシジルを1%配合した、新感覚の爽快系発毛剤「リアップジェット」(第1類医薬品)を、12月3日に新発売する。現在発売中の「リアッププラス」「リアップジェンヌ」(いずれも第1類医薬品)と同じく、有効成分ミノキシジル1%に、頭皮環境を整える三つの成分を配合しているが、同品はリアップシリーズでは初となるエアゾールタイプとなっている。新たな使用感の製品をシリーズに加え、頭髪に悩みを持つ男性ユーザーの一層の獲得を目指す考え。初年度目標額は10億円(発売後1年間の出荷額)としている。
「リアップジェット」は、毛包に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することで発毛効果を発揮する成分ミノキシジルに加え、かゆみやフケの原因となる皮脂の酸化を防いで頭皮を保護するトコフェロール酢酸エステル、頭皮のかゆみを抑えて心地よい使用感・清涼感を与えるL‐メントール、そして毛細胞に栄養を補給し、頭皮を健全な状態にするパントテニールエチルエーテル――という、頭皮環境を整える三つの成分を配合している。これら三つの成分が、ミノキシジルと相互に頭皮(毛包)に働きかけ、発毛作用を発揮する。
これまでの「リアップ」にない、容器の先端を頭皮に押し当てるジェット噴射タイプで、1回使用量をきちんと定量塗布でき、繰り返し15回噴射後に自動的にロックされる定量噴射容器となっている。すっきりと爽快な心地良い使用感のエアゾールで、成人男性(20歳以上)が1日2回、1回薬液1mL(15噴射)を脱毛している頭皮に噴射して使用する。税込み希望小売価格は100mL3990円。
有効成分のミノキシジルは、アメリカにおいて血管拡張作用を主作用とする経口の高血圧治療剤として開発されたが、治療中の患者に多毛症が認められたことから、医療用の外用発毛剤として改めて開発された。一昨年4月に日本皮膚科学会より発表された男性型脱毛症診療ガイドラインでは、「推奨度A」(行うよう強く勧められる)と位置づけられている。
大正製薬では1999年に、日本初のダイレクトOTCとして「壮年性脱毛症における発毛、育毛および脱毛(抜け毛)の進行予防」の効能を持った男性用の発毛剤「リアップ」を発売し、それ以降、12年3月末までのリアップシリーズの累計出荷本数は4000万本を超えている。
同社は今年5月、20~60代の一般男性に薄毛の悩みについて調べたところ(対象5万0575人)、全体の31・7%が「現在深刻」、12・3%が「現在深刻でないが今後不安」、56・0%が「今後不安ではない」と回答しているが、20代では約4分の1が「現在深刻でないが今後不安」と回答したほか、30代では34・6%、40代では34・4%が「現在深刻」と回答している。
こうした20代や30代の若年層で頭髪に悩んでいる人が少なくないという調査結果も背景に、同社では新製品の「リアップジェット」を加えたリアップシリーズの訴求に、より一層注力していく。